序章 手を取り合って
第4話 夜天の書、大地に立つ
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――彼女を守るように傍に控える4人の人物
――浮遊する本
目の前には、とても奇妙な光景が広がっていた。
しかしながら、少女を含む全員から、強い力を感じるため、警戒を怠らない。
感じる力は、悪魔が使う魔法の力に近く、人間のもつ神器とは異なる点が不可解だった。
一切の油断は許されないと、私は緊張とともに、敵意がないことを示しながら、彼女たちの前に降り立った。
近くで観察してみると、少女からは、強い力を感じるものの、泣きじゃくる様は演技ではないようにみえた。
おそらく、力を持つだけの、一般人だろう。
しかしながら、傍の4人と本――魔道書の類だろう――は、別格だ。
――仮にも魔王たる私が、気押されるほどの力を放っていたのだから。
とりあえず、簡単な自己紹介のあと、少女――八神はやての両親の亡骸とはぐれ悪魔の残骸の後処理を提案。
私が、魔王だと名乗ると、一気に場が緊張した。
が、すぐに、涙をふいた少女のとりなしで、その場を収めることに成功した。
はやて嬢が、主導して、そばに控える4人――――八神はやてに仕える守護騎士「ヴォルケンリッター」と名乗り、私への警戒を怠る様子はない――――も協力することになった。
ただし、魔道書――――夜天の書という名前らしい――――は、はやて嬢を守るように彼女の周囲を浮遊していたが。
あわただしく、遺体をグレモリー家の息のかかった病院へと運び込み、家の片づけをした後。
一息ついたところで、本格的な話し合いに入ることになった。
はやて嬢は、眠そうにしていていたが、強く希望し、同席していた。
話し合いの結果、悪魔側の管理不行届きが事件の原因だと私が認めることで、はやて嬢への支援と後見人となることを約束した。
ただし、基本的に金銭支援のみにとどめ、生活は守護騎士たちとともに送ることを約束させられた。
もちろん、守護騎士たちの戸籍も、こちらで用意することになる。
庇護するためと言い張り、はやて嬢と魔道書、守護騎士たちの強力な力を、あわよくば悪魔陣営へ引き込みたかったが、断固として拒否された。
「強すぎる力は災いを招きかねない」と諭したものの、父を殺した悪魔に傅くことは許容できない、と、見た目からは想像もつかないほどの、強い口調で拒否された。
さすがの私も、彼女たちを悪魔陣営に引き込むことは、諦めるしかなかった。
妥協案として、駒王町に居る限りグレモリー家の客人として庇護を受け、対価として、拒否権つきの依頼をこなしてもらうことになった。
――夜天の王「八神はやて」
――雲の騎士「ヴォルケンリッター」
――魔道書がもつ意思の具現、管制人格「リインフォース」
これが、将
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