序章 手を取り合って
第4話 夜天の書、大地に立つ
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だろうか。
ひとまず、サーゼクス・ルシファーと相対してすぐ、互いに自己紹介をし、敵意がないことをアピールする。
守護騎士たちにも、控えるように伝えた。
はぐれ悪魔について謝罪を受けた後、現状について説明を求められた。
夜天の書についても、当然追求された。
素直に「分からない」とだけ、答えておいた。
まあ、ボク自身なぜ手元にロストロギアがあるのか、全くわからないのだから、嘘ではないはずだ。
転生しました、と正直に答えても、可哀想な子扱いされるだけだろう。
それに、本当に転生かどうかもまだ分からない。
――――問題は、どうやって「夜天の書」を説明するかである。
なぜなら、ここは、ロストロギアという概念すら存在しない世界だからだ。
「異世界から来た」なんて、馬鹿正直に答えても――言動の真偽に関わらず――ボクたちの状況は、悪化したに違いない。
強力な力を有しているのならば、なおさらである。
うかつに情報を公開するべきではない。
とりあえず、有無を言わさずに、その場では、守護騎士たちに、記憶喪失を装ってもらった。
サーゼクス・ルシファーが現れてから、自己紹介までの前の短い時間で、頼めたのは、本当に幸運だったと思う。
というのも、リインフォース――――名前がないと申告されたので、後で原作通りに名付けた――――に尋ねたところ、転生機能によって、見知らぬ次元世界へ転移してきただけだ。と、彼女たちは、認識していたからである。
したがって、話をややこしくする前に、ボクに話を合わせるように、念話で頼んだ。
そう。都合のいいことに、念話は、すぐに使えるようになったのだ。
リアルタイムで、堂々とバレずに打ち合わせができたのは、僥倖だった。
どうにか、平静と取り繕うことができたおかげで、その場での追及は、避けられたようだ。
もちろん、不審な点は多かっただろうが、疑問を後まわしにしてくれた。
――――おかげで、カバーストーリーをでっちあげる時間を得られた。
本当に運が良かったと思う。当時のボクを賞賛してやりたい。
ボクの機転は、結果的に大正解だった。
魔王たちは、夜天の書を、「いままで確認されていなかった珍しい神器」であり、「少々強力な力」をもっている。
と、誤解してくれたからだ。
むろん、怪しい点は大量にあった。
未知の神器。
規格外の力。
神器にもかかわらず感じる魔力。
強力な魔力を有する稀有な人間などなど。
どうやら、親が悪魔に殺された幼い少女ということで、見逃してくれたようだった。
敵対する可能性が低かったのも一因としてあるだろう。
悪魔陣営の領地に住む以上、監視
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ