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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第223話】
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つめてくる鈴音に、頭に疑問符を浮かべてると――。


「……何でもないわよ。 ……アタシも、視野が狭かったのかなぁ……」


 そんな呟きが通路に響く。

 ……悩みは深い様だ。


「……恋愛に関しては難しいよな。 好きな奴が他の子ばかり気にしてるとヤキモチ妬くし、いざ構ってもらってもライバルが邪魔したり……だろ?」

「……うん」

「一夏も……もう少しお前に構えばいいが……」

「……そうね。 ……酢豚の約束、もう破棄しちゃおうかな……」


 何気ない鈴音の呟き……だが、その声に覇気がなかった。


「……決めるのは鈴音だからな、俺が出来るのは後押しだけだ。 ……男に関しては一夏以外にもいるんだし、色々見識を広めてみるのも悪くないぞ?」

「……ふふっ、そうかもね。 ……ありがと、ヒルト。 ね、ねぇ……変な質問……してもいい?」


 言った鈴音は困ったような表情を浮かべていた。


「……構わないぞ?」

「うん。 ……た、例えば何だけどさ……。 もし、アタシがあんたの事……気になるって言ったら……迷惑?」


 口に出してから視線を逸らす鈴音は、雰囲気がいつもと違っていて答えを聞くのが怖いように思えた。


「……迷惑じゃないな。 人に好かれて嫌な気持ちになる事があり得ないしな」

「……そ、そっか。 ……ごめんね、変な質問して」

「いや? 別に構わないさ。 ……じゃあそろそろ寝るかな」


 買ったジュースを一気飲みし、ゴミ箱へと缶を投げる。

 放物線を描くそれは、スコン……と綺麗に中に入った。


「……やるじゃん。 ふふっ、ありがとねヒルト?」

「おぅ。 まああまり気負うなよ? おやすみ〜」

「お、おやすみ……」


 背中でそんな声を受け、ヒラヒラと手を振ると俺は部屋に戻った。

 ……しかし、一夏ももう少し鈴音に構ってやれよと思うばかりだな……。
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