暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第4話 『背骨より腕』
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なよ、ロマノワ二佐?」


 この夫婦は、眉目秀麗頭脳明晰、容姿端麗才気煥発であり、夫婦であることだけを知っている人から見れば、お似合いであることは疑う余地がないが、彼らは仕事以外の会話で普通の会話を聞いたことがなく、常に皮肉を言い合い、敵意を放出しあっているため、よく知った人ほど謎となる。
 はやて達が聞いた謎は『何故、この嫌悪し合っている男女は夫婦であるのか? 』である。


「貴方の考えた算段が、どれだけ使い物にならないかは普段を見ていれば、手に取るようにわかるわ」


 ジャニカとロビンはお互い依然として振り向くことはなく、彼はポケットからピカピカのコインを取り出した。


「ほう。手に取るように考えのわかる馬鹿な男の誘いがなければ、課長補佐にもなれなかった女がよく吠えるな。……どっちだ?」
「裏よ」


 そうすると、お互いは背を向けたままコイントスをし、彼が舌打ちするのをロビンは聞いた。
 ジャニカは立ち上がると、コーヒーを2杯注いで――片方は砂糖を1つ、もう片方にはミルクを入れる――戻ってくると、ロビンの前に丁寧においた。


「そうね。そこは自覚しているわ。まさか、私より2カ月も遅れて二佐になった男に誘われることになるなんてね」


 ロビンが口にしたのを確認してから、ジャニカは立ったままミルク入りのコーヒーに口を付ける。
 既に食堂のほとんどが、この男女2人が夫婦であることをわすれていた。むしろ、この2人がいつ取っ組み合いになるか心配でしようがない。


[う、噂通りの人達だね、フェイトちゃん]
[うん。仲が悪いっていっても、からかい程度のものだと思ってた]


 なのは、フェイトは怖さで肩を狭くし、リインははやてのかげに隠れ、耳をふさいでいる。


[夫婦喧嘩じゃねぇぞ、ありゃ。完全に敵意むき出しじゃねぇか]
[言葉同士で肝が冷えたのは初めてだ]
[冷静に受け流しては、無情(むじょう)に切り掛かってましたね]


 ヴィータたちは冷や汗を流していた。


「さて、行くか」


 ジャニカとロビンがほぼ同時に飲み終わる。


「じゃあ、六課のみなさん、俺達隊舎に戻るわ」
「朝の貴重な時間、私たちがお邪魔をしてしまい、申し訳ありませんでした」


 食堂を見渡し、二人はお辞儀をしてから敬礼をとる。彼らが敬礼をとるとこれもまた様になっていた。


「い、いえ! こちらのほうこそ何もおもてなしもできず、もうしわけありません」


 代表して挨拶をしたのは、はやてである。
 それをみて食堂にいる全員が立ち上がり、敬礼をとった。


「では、外で待っていてください。車をとってくるわ、ジャン。それと、|機械ネコ《マシナリーキャッ
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