暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第4話 『背骨より腕』
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「私や、はやてちゃ、はやて隊長にはないんですか?」


 シャマルは次に自分を期待していたらしい。


「アンタは、見た目から子供だからな」


 まぁ、はやて二佐は誰かに鍛えられているようだが? とだけ応えるとサラダをフォークで突き刺し、口へ運ぶ。


「はやてちゃん、私、初めて子ども扱いされたかもしれません」
「……なんでそれで機嫌いいん?」


 しかし、シャマルが喜ぶ気持ちがなんとなくわかってしまう。
 はやてはジャニカが次に小さな曹長をからかいだすのを見て、ほほえましくもあったが、何よりもまず、すでにシグナム、ヴィータが抱(いだ)いていた警戒心を完全に取り除いてしまったことに正直驚いていた。
 ヴァイスも同じようは気質の持ち主であるが、このような回転のよい発言は出てこないだろう。うわさに違(たが)わぬ人だと今確信する。
 そう、はやて、なのは、フェイトは彼彼女を知っていた。
 会ったことはなかったが、彼ら夫婦を知る身近な人たちの間では有名な謎で、その謎が彼女たちの耳にも入ってきていたのである。


「貴方のその発言がどれだけ彼女達の自尊心を破壊しているか、生きている間は決してわかることはないでしょうね?」


 ジャニカのやり取りは、反対側にいる新人たちにも聞こえるため、同時にロビンにも聞こえていた。


「おいおい、ロビンの、いやいや、『貴女のその容姿がどれだけ彼女等の自尊心を破壊しているか、死んであの世へ行ったとしても決してわかることはないでしょうね?』」


 彼女の言動をすこし変えて放ち、パンをむしゃりとかぶりつく。


「彼女達が、いえ、彼女達を取り囲むこちらの方々が証人なのでまずあり得ませんが、彼女達が仮にもし、――いいですか、仮にもしですよ? ――私より容姿が劣っているのであれば、それは認めざるを得ないでしょうね」


 彼女は特に食堂を見渡し、意見を視線で確認しようとしていないのにもかかわらず、『いえいえ! 私はロマノワ二佐より美しいとは思っていません! それに自尊心なんておこがましいです』といわんばかりに、周りいる女性陣が首を横に振った。
 しかし、彼の方はそのそぶりには目をくれず、飲料でパンの残りを流し込む。


「確かに、粗悪品でも目だけはいいらしい。ロビンなんて足元にも及ばないくらい、彼女たちのほうが魅力的だな」


 ロビンはサラダの最後の部分を丁寧に口に運んで咀嚼(そしゃく)して喉を通す。


「このまま離婚調停に持ち込めば、貴方はなにも弁護できませんね、トラガホルン二佐?」
「あんたの経歴を傷つけ、二度と『俺を足元に置く』というあんたの野望を見るも無残に破壊する算段は既に考えてあることを努々(ゆめゆめ)忘れる
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