暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第3話 『課長と課長とネコ』
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バルがその言葉に反応して、コタロウの方へ向く。他の新人たちも彼女に合わせて彼のほうを向いた。なのはやシャリオも彼の発言に興味がわき視線を向ける。


「なぜですか?」
「耐久率の問題ですね。ナカジマ二等陸士は攻撃時は前傾姿勢、防御時は後屈姿勢、走行時は平行姿勢と、立ち方をそれぞれ変えています。あれでは間接部の衝撃はかなりのものでしょう。もっとも、壊れるのはそこからではなく、その箇所の磨耗によって全体のバランスが崩れ、全体の耐久率の低下に伴う故障になるかと思いますが」


 またまた、たっぷりと口に料理を運ぶ。


「……そこまでわかるものなんですか?」


 なのはとシャリオはぱちくりと瞬きするとお互いに目を合わせた。


「んくっ。まぁ、これでも人より機械の方と多く接してきましたから。機械稼動部から、その人を判断したにすぎません」
「いやぁ、結構的確に判断したみたいですよ?」


 何故ですか?と、問うコタロウにヴァイスは嗜好飲料を口にしながら、視線でコタロウの左後方へ視線を送る。彼が振り向いてスバルと目があるとコクコクと首を立てに振っていた。どうも、指摘されて初めて自覚したようである。


「なのはさんは気づいてました?」
「うん。一応。昨日の練習である程度、みんなのウィークポイントを抑えていたから。でも、デバイスにかかる負担率まではいれてないよ。シャーリーは?」
「私のほうは逆でデバイス各所の耐久比率は算出していましたが、新人たちの動きの詳細までは見ていませんでした」


 2人ともそれぞれの得意とする分野の判断は的確に抑えていたが、そこに至る過程がいくつか抜けていた。彼女達は静かに話していたため、コタロウたちや新人たちには聞こえてはおらず、彼らは話を続行する。


「するってぇと、他の新人たちもその、機械的見地からなにか判断できるんで?」


 コタロウはもしゃりと今度は野菜に手をつけている最中であった。


「ん。それは――」
「お? ネコじゃねェか」


 それは突然、会話の中に入ってきた。コタロウは知った声の向くと、そこにはエリオのそれよりのずっと黒い、臙脂(えんじ)色の髪の男が手を振って近づいてくる。


「あ、ジャン。どうしたの?」


 ヴァイスが聞く限り、初めてコタロウが敬語を抜いて話をする相手である。
 彼がジャンという男はヴァイスよりも大きな身長の持ち主で、瞳も髪と同じ色をしている。体格もしっかりしており、通り過ぎる人たちの進行方向を曲げさせる威圧感を持ち合わせていた。


「ん。お隣に挨拶にな。八神はやて二佐はここいるか?」
「八神二等陸佐ならあちらに、いるよ」


 ジャンという男の快活な声はよく通り、はやては自分が呼
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