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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第2話 『彼女たちの疑問』
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「もし、困っているのならば全然利用してくださって構いませんよ?」
「本当ですか?」


 それを聞いて、ぱぁっとリインは表情を明るくする。


「はい。私はあれが突然無くなったので、不思議に思って探した次第でして」


 ひとしきり2人の会話にはやても胸を撫で下ろしたのを見て、フェイトははやてに訊ねる。


[ねぇ、はやて?]
[なんや?]
[彼が作ったデスクって、部隊長オフィスにあった――]
[そそ、あれや。本当に良くできているんよ]


 フェイトは先程オフィスに入ったとき、リインが居たデスクを思い出す。それは見た目上、はやてが座っていたものと劣らずの出来であることに今気付いた。当たり前過ぎるほどそこにおいてあったので違和感に気付かなかったのだ。


[余程器用なんやろなぁ]
[そうだね。でも、見ない顔だけど、はやては知ってる人?]
[書類で見たくらいやなぁ、ナカジマ三佐が手を回してくれた人なんよ。えと、名前は――」
「ありがとうございますです! えと……」
「はい。本日より機動六課へ出向となりましたコタロウ・カギネ三等陸士です」


 彼コタロウ・カギネは特徴的である寝ぼけ眼をそのままに、ぴしりと敬礼をした。






魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2話 『彼女たちの疑問』






 彼ヴァイス・グランセニックはコタロウに対する自分の立ち位置をどうするか戸惑っていた。


「コタロウ三等陸士、さん?」
「はい?」
「なんとお呼びすればいいんすかね」
「お好きな呼び方で構いませんが?」


 現在は屋上にいて、ヘリの離陸準備をしようとしているところである。コタロウはぐるりと、手を当てながらヘリをゆっくりと一周する。その間に、ヴァイスは腕を組んでいくつかの葛藤をした後、やはり自分の基準は階級ではなく、年数や年齢によるものということに落ち着けた。


「それでは、コタロウさんで」
「はい。よろしくお願いします。グランセニック陸曹」
「あ、自分のことはヴァイスで構いません」
「そう? でも、申し訳ありません。もう、ファミリーネームで呼ぶのが一種の癖になっているので、私はそのままグランセニック陸曹と呼ばせていただきます」


 そのうち、ファーストネームで呼ぶことがあるかもしれませんが。と、ヘリからは目を離さずに答えた。
 ヴァイスははやてよりコタロウを任されていた。
 本当ならばメカニックであるシャリオ・フィニーノやアルト・クラエッタに任せるところであるが、それは建前で、本音はヘリでの護送中に少しでも会話をしたいというのがはやての思いである。


「ふぅむ。このヘリ……」



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