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メモリアル・ヴァフェ
1話 第二メモリアル・ヴァフェ分隊
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力を向け、自分をふさぐことだ。だから、これはもう触らないでほしい」

 父は優しく微笑み「わかったかい?」といった。ぼくはただただ「うん」と答えることしかできなかった。そのあとは、父と手をつなぎ部屋を出て、母の夕ご飯を食べたのを覚えている。



 それから年月が経ち、僕は12歳になった。黒髪なのは両親からの遺伝で少し長めに切ってある。目は蒼色。身長は平均的で、体は広大な自然で遊んだことにより引き締まっている、だがやっぱりがっちりというよりかは細めな体格をしている。やっぱり人種的細身なのかと思っている。
ともかく今日は近くの川に淡水魚狩りに来ている。今日は紛争に行っている父が帰ってくるので、ならべく新鮮な魚で塩焼きを作りたいと言う母の願いからだ。もちろん母に「お願いっ」と言われれば何でも引き受けるし、体が動かせるしちょうどよかったと思っている。手に持つのはモリ。石を削って木に付けたという、古風感というよりも古代感溢れるモリを握っていた。季節は夏、川の独特の冷たさは子供にとって最高だと思う。川は意外に深く胸ほどの深さががあるところもあった。が、深いほうが好都合、僕が、人魚になれるのではと思えるぐらいに川を泳ぎまわり遊んだことは言うまでもないだろう。

 存分に泳ぎ回り、朝ごろ来たはずなの太陽が真上に来た頃、僕は淡水魚狩りもとい魚とりをはじめた。川に潜りゴーグルをつけた目で周りを見渡す。若干この川は濁っており魚を見つけるのが難しいのだが、それにしても魚が泳いでなさすぎる。おかしいと僕は思った。少なくとも泳ぎ回っているときには魚を見かけた。なのに泳ぎ疲れて岸に上がって少し休んでただけなのに、ここまで泳いでないのは変だ。やっぱり一回上がろうと思い、岸を目指し始めたとき僕はそれを感じた。どこかから視線を感じそっちに体が引っ張られるような、そして見られている部分がさされるような感じ、そう殺気だ。

 僕は死にもの狂いで岸に泳いだ、無理に動かしているせいで方が悲鳴を上げるが、それを押しつぶし泳いだ。幸い岸が近かったのですぐつけた。そしてその判断があっていたと痛感させられた。川からこちらを見ているものがいるのだ。二つの大きな目それは確実にこちらをとらえ、今すぐ食い殺してやるという意志に燃えていた。それは魚影2,3mはあるかという魚影だった。濁っていてもわかるその存在感に、僕は恐怖した。考えるより早く足が動いた、大きめの石が多い河原を足首を痛めながら全力で走る。川の中にいるアレにこれ以上近くにいてはいけないと思ったのだ。が、相手も甘くない。食い殺すと目にたぎらせるだけあって、そのまま川の中にいるということはしなかった。すぐさま水面からアレが跳ね出る。黒光りする外皮、イルカのようだけど少し違う目が大きめだ。そう僕はこれが何か知っている。母から教わった。そ
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