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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第222話】
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れただけで充分だよ。 ……なんて、もうヒルトと二回もキスしてて今さらだけどね。 あはは」


 そって肩に手を置いたまま、俺に対面になるように膝に座るシャル。


「……僕、上手く伝えられたかな? こういう時……僕って少し口下手になっちゃうから」

「……伝わったから安心しなよ。 ……ただ、これから気持ちに応えられるかわからないけど……な」


 実際、俺もまさかこんなに想いを寄せてくる女の子がいっぱい居るとは夢にも思わなかったからだ。

 ……去年までの俺が見たら、びっくりし過ぎて失神するレベルだろう。

 ――と。


「……うん。 ――でもね、僕は誰にも君の事……譲らないから。 セシリアにも、ラウラにも……未来にも――ね。 ……これから、ヒルトの事を好きになる子にも、想いでは負けないから」


 力強い言葉に真剣な眼差し、それとは裏腹に少し涙目になっているのは不安な気持ちの表れだろう……。


「……あぁ。 ……ありがとうな、こんな俺を好きになってくれて」


 今の俺には、こんな言葉しか彼女に言えない。

 人の想いは儚いものだし、いつまでも同じ気持ちのままじゃない。

 ……それでも、ちゃんと前を向いて気持ちと向き合わないといけないだろう――偉そうな事が言える立場ではないが。

 ――と、シャルは俺の言葉に首を横に振り――。


「ううん。 僕の方こそ……君と出逢えた事が、僕にとって一番だから。 ……君に出逢ってなかったら、多分僕は一夏の事を盲信的に好きになってたかも。 ……一夏が世界で一番カッコいい……何の疑いもなく、そう思っていたかも。 ……ふふっ、まあでも? 今の僕はヒルトに対して盲信的に好きなのかもしれないけどね? てへっ」


 舌をペロッと出し、悪戯っぽく微笑むシャル。


「……まあ世界の半分は男だからな。 ……俺も、もろに女尊男卑な昨今の影響受けて色々情けない所見せてるが……」

「……最初からカッコいい男の子何ていないよ? だから……情けない所、見たぐらいじゃ僕の気持ちは変わらないよ。 好きになるって、良いところも悪いところも好きにならないと……ね?」


 目を細め、柔らかな笑みを浮かべたシャルに母性を感じた。

 母さんとはまた違った感じの母性……。

 不意に顔が赤くなるのを感じると、俺は少し視線を逸らした。


「……そ、そういや……俺に何か用事があったんじゃないか?」

「……あ、そうだった。 んとね? 今度新しく装備が搬入されるんだけど……良かったらそのテストに付き合ってくれるかな? ほ、ほら、他の国の装備を見るのもヒルトにとって勉強になるでしょ?」

「……そうだな。 いつかは武器を使わないスポーツ特化
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