暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第1話 『少女の机』
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ですぅ!」


 ぷぅと頬を膨らませたり、両肩をがくんと下げたりと、素直に感情を身体で表している一人の女性の横を飛んでいる少女、リインフォース・ツヴァイは不満を漏らしていた。

 そんな小さな仕草の一挙一動が可愛いと思いながらも、言葉には出さずリインの隣を歩いている女性、機動六課課長八神はやては苦笑する。


「ほらほら。リインの行ったとおり今日は初日なんやから、ピシッとしよう?」
「むぅ。むぅです……ぅ?」


 ふと、通り道であるロビーの横を通り過ぎるとき、リインの視界に何か入った。


「どないしたんや、リイン?」


 彼女は一旦軌道を逸れ、視界に入った対象物の近くによる。


「はやてちゃん、はやてちゃん。これ、これ!」
「これって言われても……んぅ?」


 リインが飛んでいる下に目をやると、そこには一般人より1回りも2周りも、いや、どれくらい周りも小さいデスクがぽつんと置いてあった。キャスター付きのイスまである。リインはすとんと座ってみるとイスの背は皮製であることがわかり、使い古されているが、それがむしろ座りやすい。スプリングも丁度良い感じだ。そして、そのほぼ新品同様のデスクには『リサイクル品 御自由にどうぞ』という貼り紙がしてある。


「誰のリサイクル品?」
「誰のでも構わないです。これ、欲しいですぅ」


 はやては、いくらなんでも、無断で持って行くのは。と考えたが、張り紙のこともあり、リインにせっつかれたのもあったりで、すぐにその考えは消え、持って行くことにした。



▽△▽△▽△



「……あれ?」


 作成後、余った物を片付け、戻りがてらお手洗いに行った後、ロビーに戻ると、デスクとイスが消えていた。


「えぇっと。……あれ?」
(作った後、動かしたっけ? いや、動かしたってどこに?)


 自問自答が自問自問になり、自答が出てこなかった。



▽△▽△▽△



 部隊長オフィスでの彼女はかなり上機嫌だった。イスをクルクルまわしながらハミングを奏でるほどである。


「それにしても、リインのデスクも丁度いいのが見つかってよかったなぁ。そのイスなんて私が欲しいくらいや」
「へへー。リインにぴったりサイズですぅ」


 リインはよほど嬉しかったのだろう。机に指を走らせて、ピカピカであることを何度も確かめていた。
 そこでブザーが鳴り、はやては入室を受け入れた。


「失礼します」


 2人の女性が声を揃えて同時に入ってくると、彼女は顔を綻ばせて彼女たちに近寄った。


「お着替え終了やな」
「おふたりとも素敵です」


 リインの賛辞に2人の女性ははにかみながら、

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