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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
序章
6年前
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「なんで、だよ!」


 周りは炎、轟音、盛っては響き、唸りを上げているが、青年の声は相手に十分聞こえた。

 聞こえた相手の反応は苦笑いを浮かべているのが帽子の中から窺えた。


「俺は、俺の方が、俺の方が助ける側なのに」


 青年は、否、青年達はまだ、自分達が危険を脱出したわけでもないのにお互い向かい合って一方の青年は両手で相手の胸倉をつかみ、嗚咽しながら、相手を睨み付けた。


「早く行かないと、僕等も逃げ遅れるよ。急ごー―」
「普通にしてんじゃねぇよ!」


 青年は相手の言葉を遮り、目をそむけることを許さなかった。

 現状は良くはない。今いる場所は火力を増長されるものが多く、つい先ほど人を避難させたばかりなのだ。彼を悲しみや怒りによる感情の起伏を激しくさせたのはその直後に起こった。


「手、離してくれる?」


 しかし、彼は自分の行為によってかは分からないが、相手のいつもより幾らか低い声によって、素早く冷静を取り戻した。

 そもそも、自分を助けてくれた相手にこんなことをして良いはずがなかった。


「わ、わりぃ」


 彼はパッと手を開いて離し、すぐに周りの暑さでじとりと汗のかいた自分の手の開く力抜く。


「早く、ここを離れよう。後ろから追いかけて、避難を促さなくちゃ」
「そう、だな」


 もちろん、避難している集団の先頭もしっかりと先を指示する人がいる。彼らは後ろを守ることを自ら志願したのだ。2人はすぐに後ろを追いかけ始めた。


「これで、よし」
「んッ。ありがとう」


 彼は走りながら、相手にその場しのぎの血止めを行う。


「でもおまえ、これから――」
「そうそう、言い忘れてたことがあった」


 今度は相手が彼の言葉を遮った。


「俺の方が助ける側、じゃあなくて、俺等が助ける側でしょ? まぁ、確かに普段の僕はこんな場面じゃ、助けられる側だけどね」


 前に避難者の背中が見えてくる。


「あと、大丈夫だって。僕は君に名前をもらってるから」


 まぁ、恥ずかしいけどね、あの名前。自分からは絶対言わない。と、右手で頬を掻きながら、また苦笑う。


「自分は続けるよ。この仕事」


 今度はいつも仕事で見せる真面目な顔で、相手がそう答えたとき、不覚にも自分が相手に犯した罪よりも、相手に対する感謝の気持ちで占めてしまった。

 そうだ、コイツはいつもそうなんだ。何をやっても変わらないから、罪悪感や自己嫌悪を払拭してしまう。と考えていると、自分のペースが少し落ちて、相手の背中を追う形となる。

 相手は、大丈夫? と顔を彼に向けるが、彼は相手の疑問に対する答えを返さな
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