四日目 朝
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朝、特に眠気もなくいつもどおりに起き上がり、窓から射し込む光を浴びる。身体能力は柱の男同様だが、デメリットは消えてるようで、太陽の光を受けても石になる事や消滅する事はない。究極生命体ほど不死身ではないが、充分だ。いや、充分過ぎる、か。
「ん......」
隣のベッドではローブではなく、Tシャツと短パンを着たユーハが体を丸めるように寝ている。その顔は瞼が腫れてて、昨日泣いていた事が窺える。昨日の事を引きずらなければいいが。心配しているのではなく、ただ単に面倒はごめんだという事だ。
......昨日のようなものはな。
俺の脳裏に昨日会った冒険者二人組との会話が蘇る。
夜の帳が訪れた頃、雨は既に止み、月が現れていた。
俺は男の勧誘に眉すら動かす事なく、一言。
断る。
「.....は?」
その間、数秒もなかっただろう。つまり一切仲間になる気はない、そういう事だ。
だが、相手がそれで納得する訳もなく.....
「なんで?私達はこれでも中堅冒険者の中じゃ、1、2を争うパーティー、熊の爪なのよ。それなりに名が通ってるし、仲間も実力者揃い。1人所用でいないけどね......ま、それは置いとくとしても新人の貴方からしたら、良い話と思うわよ」
シルフィの話を聞いても俺には何の魅力も湧いてこない。なんせ、元々ソロで冒険者を続ける事ができる身の上だ。まだ能力を完全に使いこなせているとは言えないが、今のままでもやっていける、だからだ。
確かにパーティーを必要とする人間なら新人の時に目をかけてもらう、それは願ってもない話だろうが......俺はこれからもソロで冒険者を続けるつもりでいる。だから断る。
「ずっとソロでか?.....ガハハハッ!面白い冗談だなッ、小僧!」
冗談ではないが。
「......本気か」
熊男はしばらく俺を見据えた後、呆れたように首をふった。
「ヤクモ、だったか?お前くらいの歳なら周りにかっこよく見せようとする気持ちは分からねぇ訳でもない。だが、人には限界があるじゃねぇか?どんなに才能があろうが、一時の体裁を気にして死んだ、なんて笑えねぇ話なんて腐る程......は言い過ぎだが、少なくともそれなりに例があるんだ。てめぇにはそうなって欲しくねぇ」
熊男は顔に似合わず慈愛の表情を浮かべるが、俺はさっきと変わらず返した。
有難い忠告だが、意見を変える気はない。
「そうか......なら、分かった」
そう言って、熊男は呆気ないくらいに引き下がったのか椅子から立ち上がる。
俺はさっきと同じように腕を組んで、目を瞑る。
だが、すぐに目を開ける事になった。熊男の大声で。
「ヤクモォ!そこまで言うなら腕に自信があるんだろうなッ。
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