ターン33 冥府の姫と『白き龍』
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う返しながら振り向くと、そこにいたのは予想していたアカデミアの学生服姿ではなく、ごくごく一般的な服を着た30代中盤ごろの背の高い男。渋く笑ってこそいるものの、まるで笑っていないその眼を見て素早く距離をとる。
「おいおい、別に知らない仲じゃないだろうにつれねえなぁ………ま、いいさ。俺が聞きたいのは挨拶なんかじゃねえ。なあ、なーんでまたお前がここにいるんだ?さっさとあのガキだけ叩きのめして帰ってくりゃいいだろ、何があったかしらねーけどかれこれ10年以上も姿くらましやがってよ、もしウチの今はもういないクソガキ2号が見つけてなけりゃマジの行方不明者だったんだぞ?」
「知らない仲でもない?10年以上……?」
何一つ聞き覚えのない単語と、会ったこともない人間の話。そもそも今年で17になる彼女にとって、そんなに前のことなど知ったことではない。だが、そう言い返せないような何かが彼女の中にあった。確かに私は、この男を知っている………という気がする。
幸いにも、今回は向こうが勝手に話を進めてくれた。
「ん、もしかしてお前、覚えてないのか!?ちっ、めんどくさいことになってやがる。ま、今回は俺もあんま深入りする気はねえし簡単なテストだけで終わらせますかね。ほれ、構えろよ。先行は譲ってやるからさ」
「え、えっと……?」
「デュエルだよ、デューエール。常識だろ?」
なるほど、それもその通りである。慌てて自分のデュエルディスクを起動させる。だからあのカードをエクストラに入れるよう指定したのか、とも理解した。そして、もう一つ大事なことがある。
「あなたが誰かは知らないけど、私も今日は予定があって、それをちょっと楽しみにしてたの。だから手加減なんてなしの、本気で行くから覚悟してね?だってさ」
「おおー、怖えぇ怖えぇ。ちっこくなっても迫力は変わんねえなあ。にしてもお前、そのヘンテコな語尾はどうしちまったんだ?前はそんな癖ついてなかったろ。ま、それもどうでもいいっちゃその通りなんだがな」
「「デュエル!」」
本来はランダムで決まる先行も、今回は相手がわざわざ指定してきたためスムーズに決まる。先行だと正直ちょっと困るバイス・ドラゴンなどがデッキに入っているわけではないのでありがたく頂戴してカードを引いた。
「私のターン、まずはワイト夫人を守備表示で召喚。さらにカードを1枚セットして永続魔法、漆黒のトバリを発動。ターンエンドだってさ」
ワイト夫人 守2200
「相変わらず骸骨好きだねえ。行くぜ俺のターン!まずはカードをセットして、青き眼の乙女を攻撃表示っとくらぁ」
古めかしい椅子に座る喪服を着た骸骨の女王と、腰まで伸びた長い銀髪に青い目の女性が対峙する。そのどちらも攻撃力は0なのだが、ワイト夫人がその守
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