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乱世の確率事象改変
諦観の元に
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あなたも、少し話したほうがいいのではないですか?」
 己よりも彼の方が支えるのに足るのではないかと、そして彼自身の為にもなるのではないかと問いかけた。
「いいや、一番に桃香を支えられるのは俺じゃない。では仕事に戻る」
 踵を返し去っていく秋斗の背中が小さく見えて、雛里は思わず声を掛けそうになったが呑み込んだ。
 皆それぞれが与えられた仕事に動き出す中、一人だけ佇んだままだった雛里は悲哀の感情から拳を握る。

 桃香様がしっかりと間違いなく選択出来るためだとしても、どうしてこんなにもあの人自ら傷つかなければいけないのか。

 雛里はそこで昏い感情を向けそうになっているのを頭を振って追い払った。
 無理やり落ちて行く思考を前に向け、彼女もまた他の皆と同じように与えられた仕事をやりきる為に動き出した。



 †


 寝台に着いた途端に倒れ込み、掛け布に顔を埋めて叫び声を上げた。
 止めどなく溢れ出る涙は瞼を閉じようとも溢れつづけ、埋めた布をただ濡らし続ける。

 私は友達を見捨てた。

 その事実が頭に響き、罪悪感が心の内に降りかかる。
 甘い考えで安穏と過ごしてきたツケだとでもいうように、胸の痛みは深く、冷たく私を苛み続ける。
 まだ、何も決まってはいない。
 でも……私に出来る事は何一つとして無いんだ。
 初めはたった一つの想いだった。
 誰かの為に、何か一つでも出来る事は無いだろうか。
 人の涙は哀しいから、心が痛いから、誰もそんなこと望んじゃいないから。
 だから、この世界を変える誰かが必要なんだって思ったんだ。
 一番初めにそんな思いを褒めてくれたのは白蓮ちゃんだった。
 応援してくれたのも、送り出してくれたのも彼女だった。
 そんな大事な人を……私は見捨てる。
 ふと、冷たい輝きを持ったあの人の瞳が頭に浮かんだ。 
 あの人は平然と切り捨てたわけではない。元からこういう事があると考えていて、だからこそ私に対して現実を突きつけてきた。
 自然と、歯を噛みしめていた。

 何も出来ない事が悔しくて
 助けになれないのが不甲斐無くて
 あまりにも自分が無力過ぎて

 自分にはどれだけ覚悟が足りなかったかを思い知った。否、思い知らされた。
 かつての洛陽でのことと同じでは無い。これは私が自分で選んだモノだから。
 全て受け入れて、乗り越えなくちゃいけない。

 ただ、どれだけ罪悪感が胸を支配しようと、どれだけ後悔しようとも、私はもう理想を叶える為に立ち止まりはしないという想いが、変わらずに……煌々と心の内で光り輝いていた。
 それでも……悲しみが溢れ出るから、涙はいつまでも止まらなかった。


 †


「思ったよりも大丈夫そうね」
「三人のおかげで潰れ
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