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第十九話 乙女達の聖戦
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あれから約一カ月、検査や稼働テストを経て体にも月読にも今のところ問題は見られない。そのため予定通りあとは学園で経過を見ることになった。
「しーちゃーん!」
部屋に戻って一休みしようと歩いていると、背後から声が聞こえ何かが飛びかかってくる。……というよりもうこの一カ月で毎日やっているやり取りなので驚くこともないんだけど。
「た、束さん。だからいきなり飛びかかってくるのはやめてって何度も……」
それでも飽きないのか、毎日さまざまな方法を使って飛びかかってくる。途中の部屋に隠れていたり、天井から落ちてきたり、一番驚いたのはステルススーツ紛いのものを作り出して正面から抱きつかれたとき。この人は遊びでなんて物を作り出しているんだろう、とても実用できるレベルじゃないらしいけど。まぁ、それらに比べれば今日のはまだマシといえる。
「まぁまぁ、明日は学園にまた行くことになるんだしいいじゃん。それでね、ちょっとお話があるんだ〜」
束さんがこのように前置きをする時は、決まって重要なことだ。普段は勝手に話し出すしその場合は大抵どうでもいい話だったりする。
自然と、僕の意識も切り替わる。
「うん、なら部屋で話そうか」
僕が寝起きしている部屋に入ると、束さんは迷う様子は微塵もなくベッドにダイブする。
「えへへ〜、しーちゃんの匂いがする〜」
そのまま布団に埋まりながらそんなことを言い出す束さん。
「もう、そういうこと言わないでよ。真面目な話があるんでしょ?」
「ちぇ〜、相変わらずツレないね。ま、しーちゃんらしいけど」
束さんはいじけた口調になりつつも、表情はそんなことはなく笑顔のままだった。それが、急に真面目な表情に切り替わる。
「しーちゃん、私がISを世界に公開した理由は知ってるよね?」
束さんがISを、わざわざ白騎士事件なんていうマッチポンプを行ってまで世界に浸透させた理由。もちろん、世間では白騎士事件の発端について知っている人は限られているけど、それを抜きにしても公開された理由を知る人はより少ない、僕ら二人だけだ。
「最終形態への到達、だよね」
そう、ISコアは自己進化の機能を持っていて形態移行を繰り返して進化をする。現状では第二形態へ移行している人は数えるほどしかいない。束さん曰く、あと一段階、第三形態を経てアルティメット・フォームへ移行する可能性が高いということ。
なら何故それがISの公開に繋がるのかというと、フォームシフトには前提として一定以上の稼働時間が必要になるからだ。また、それを満たしたとしても操縦者との適正や他のISとの戦闘経験など様々な条件をクリアし
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