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第十九話 乙女達の聖戦
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」
もし再び暴走した場合、周りの人を巻き込むかもしれない。それだけは絶対に避けなければいけない。……状況が悪化することがあれば楯無さんには伝えておこう。もしもの場合は……僕を墜としてほしい、って。
「でもでも、悪い話ばかりじゃないよね。ようやく月読は……ううん、しーちゃんの専用機は第一次形態にシフトしたんだから! これで本当の意味でしーちゃん専用になったよ」
「そうだね、せいぜい呑まれないようにしないとね、このじゃじゃ馬に……」
僕を、周りの人を危険にさらすかもしれない存在。でも僕は不思議とそれを恐ろしいと思ったりすることはなかった。
存在を受け入れ決意を新たに僕は手元の指輪をそっと撫でると、それに応えるかのように光った気がした。
◇
僕は久しぶりにIS学園に戻ることができた。体感的には一カ月程度のはずなのに、酷く懐かしく感じる。まぁ、実際には半年以上の間が空いているんだから当然なのかもしれない。
もう授業は終わるころなので、一度部屋に戻ってから心配をかけた人たちに挨拶してこよう。授業は明日から出ればいい。直接連絡が取れる人たちには連絡したけど、話を聞く限りでは本当に多くの人たちが心配してくれていたらしい。それを聞いたときは申し訳なさと嬉しさがこみ上げた。
いろいろ考えていると、部屋の扉をカチャカチャする音が聞こえた……と思った瞬間急に激しく開け放たれて人が飛び込んでくる。
「……ただいま」
そのまま僕の前に走り込んできた人影は楯無さんだった。
「おかえりなさい」
先ほどまでの行動とは裏腹に、僕の言葉に落ち着いて答える彼女。そっけなく聞こえるそれも、今の僕にはとても好ましいものに感じた。
「いろいろ心配かけてごめんね」
「もうそれは聞いたわよ……その分、体で返してくれるんでしょ?」
「……え?」
一瞬、あらぬ想像をして呆けてしまった僕は悪くないと思う、うん。
「……なんて顔してるのよ。もちろん、労働よ? 生徒会での半年分、きっちり働いてもらうからね?」
「そ、そんなぁ」
「あら、それとも別のイイコトするほうがよかった?」
「そそそ、そんなことないよ! 喜んで労働させていただきます」
「……そんなに拒絶されるのもちょっと悲しいんだけど」
久しぶりに受ける楯無さんの洗礼に僕はしどろもどろになってしまう。あまりの狼狽に、最後に楯無さんが呟いた言葉は耳に入ってこなかった。
「はぁ、それにしてもとんでもないタイミングで帰ってきたわね」
「ん? どういうこと?」
ある程度、以前連絡したときに話してたとはいえ直接会えばまた話も弾むわけで、しばらく近況報告や雑談に興じていた折に楯無さんがふとそ
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