Development
第十九話 乙女達の聖戦
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無意識のうちの行っていたなんて簡単に受け入れられない。
「あれは、しーちゃんの命に危険が迫っていたから、ISコアが守ろうとしてシフトしたんだと思うな〜。状況と、病気の発症が重なって暴走したんだね。今のところは安定しているし、病気は治したから大丈夫なんだけどね〜」
「でも、このままフォーム・シフトを繰り返して親和性を高めていったらまた呑みこまれる可能性がある、ってことかな?」
「……そういうこと。あっちのいっくんも同じなんだけど、基本的にコアにはプロテクトかけてあるから多分大丈夫。ちょっと成長遅いかもしれないけど後はいっくん次第かな。でも、しーちゃんのは今回の件で壊れちゃったみたい、原因はフォーマット時の不具合。ずっと終わってなかったでしょ?」
月読は、ずっと紫音の専用機であって僕のものではなかった。月読自体はフォーマットすら終わらず、僕にフィッティングされていない。そんな、宙ぶらりんな状態だったために暴走したらしい。それに、月読は束さんの想定外、一般の各世代機とは別の構成をしていたことは以前に聞いた。それも影響しているとのこと。
「本当はコアまで手を出してほしくなかったんだけどね〜、まだ束さんでも完全に解析できてないんだよ、これ?」
「え、作ったの束さんじゃないの?」
「ん〜、それは内緒! 今はまだ、ね」
衝撃の事実をいつものようにサラッと口に出す束さん。でも確かに、ISはオーバーテクノロジーだ。いくら束さんが天才だからって無からいきなり生みだすなんてことがそう簡単にできるだろうか。考えられるとしたら発掘や何か……それなら個数に制限があるのにも納得が……。
「あ〜! 乙女の秘密を探ろうなんてダメだよ! いつかちゃんと教えてあげるから待っててね」
何かにたどり着きそうだった僕の思考は乙女(?)のチョップで遮断された。腑に落ちないところはあるけど、本人がそう言うなら今は考えないようにしよう。
「話を戻すけど、プロテクトを戻すことはできないの?」
「そのためにはISコアを完全に初期化しないといけないよ。普通の初期化なら遺伝子情報とかは残る可能性があるのはいっくんの件でわかってるけど、プロテクトまで戻すとなるとそれすら、完全に消す必要があるの」
それが意味することはつまり……。
「僕はISを動かせなくなる」
「そういうこと……」
それでは意味がない。
僕の守りたいものを守るためには、ISはなくてはならない。ならどうするか、決まっている。
「なら、このままでいいよ」
「うん、そう言うと思ったよ。でも気をつけて、フォーム・シフトを行うってことはそれだけ親和性が高まっている、つまりしーちゃんの場合は浸食が進んでいるとも置き換えられるからね」
「……わかった
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