Development
第十九話 乙女達の聖戦
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「どういうこと?」
「しーちゃんは……アルティメット・フォームに移行するのは難しいかもしれない……ううん、それ以前に死ぬことだってある」
その言葉は、俄かには受け入れ難いもの。一緒に目指すと決めたゴールに僕では辿りつけない? それに、僕の体は治ったはずだから。いや、もしかしたら治っていなかったのを束さんが黙っていたのかも? そんな思考が一瞬のうちに浮かんでは打ち消しを繰り返す。
「なん……で?」
それでも自分では答えが出ずに、無意識に出た言葉でそう問いかけるしかできない。
「それを話すには、まずはそもそもISがなんで女性しか動かせないかから話す必要があるんだけど……」
その後の説明は、俄かには信じられないもののある程度納得がいくものだった。
まず、男性である僕や織斑一夏が動かせる要因は以前に話を聞いた通りであくまで女性として誤認識しているだけであって、正常なものでないということ。
そもそも女性しか動かせないのは、女性に備わる能力、つまりその身に生命を宿すことができるというのが要因らしい。つまりは子供を産む、ということ。そもそも体内に別の命を生み、育てることができることから、異物に対する耐性も高いそうだ。
いわば、進化の過程において見ればISと操縦者は胎児と母体のような関係だ。つまり胎児、ISの成長は操縦者にかかっていることがわかる。そもそも、ISは起動時の認証などからわかるように遺伝子レベルで操縦者とリンクする。そのことから人によっては拒絶反応を起こし、女性であっても操縦はできない。つまり、男性であればそもそも対象にならない。
仮に僕らのような例外であったとしても、決して耐性があるわけではないため場合によってはISコアに浸食されてしまうとのこと。その一端が……。
「第零形態、いわゆる暴走状態だよ。ISと操縦者との親和を高めて進化するフォーム・シフトに対し完全にISに呑まれた状態だね。しーちゃんが爆発に巻き込まれたときに離れた場所で見つかったのは、一時的にこの状態になったからだよ」
「え、それじゃあの規模の爆発に巻き込まれて助かったのは、そのおかげ?」
確かに、束さんはあのとき無事だったのが不思議なくらいだと言っていた。
「ううん、逆。本当はあの爆発はね、ゼロス・フォーム状態の月読が引き起こしたんだよ」
「なっ!」
でも、真実は逆。爆発の原因は僕だった。
「あ、でも安心して〜。爆発に巻き込まれた人はいないみたいだよ? 連中は逃げ出した後だったみたいだしね〜、だから束さんがちょちょいと捕まえたんだけど」
そうは言われても安心できるものではなかった。話によると、爆発によって広範囲の建物が消滅していたらしい。それを僕が、しかも
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