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樹界の王
13話
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、この森は呆気無く滅びてしまうだろう。
 ラウネシアによって、当面の食料と水は確保できた。森の中での生存率は飛躍に上がった。ならば、次は森の外の脅威について早急に情報を集め、必要があれば排除しなければならない。この拠点を、守る必要がある。
『カナメ、私はずっと待っていたのです』
 ボクはラウネシアをじっと見つめると、これの利用価値について考えた。
 拠点としては、申し分ない。理性的な共生、とラウネシアは言ったか。悪くない。
 このラウネシアの思い通りに動くのも、当面の間は問題ないだろう。
「ラウネシア」
 柔らかい声質を意識して、笑いかける。
「植物同士のことはわかりませんが、人は生殖までに時間をかけるものなんです。ボクたち、互いの事をよく知りません。だから、互いのことをもっと理解してからにしましょう」
 ボクは、植物の心を読み取る事ができる。ラウネシアは十分にコントロール可能だと、この時のボクは考えていた。

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