『強欲のヴァイオリニスト』編
歌い手、森に向かう
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ですが、どうやら他のコミュニティからも森を目指したもの、そのメンバーを探しに行ったものなどが帰ってきていないんだそうです」
「森に入ったものが例外なく帰ってきていない・・・そう言うことでいいのだな?」
「ええ、その通りです」
このまま静観しておるわけにはいかんな。
それに、誰も例外なく巻き込むことの出来るやり方など、私は“主催者権限”しか知らぬ。
「分かった。私自ら出向き、原因を叩き潰して来よう」
「ええ、よろしくお願いします」
そして、私は問題の場所に出向き、森の中で多くの人間が倒れている場所にたどり着いた。
「これほどの数が、同じ場所で・・・」
倒れている一人の下にしゃがみ、手をとると・・・間違いなく、脈はあった。
気絶・・・いや、これは・・・・
「寝ている・・・のか?」
そう、一人残らず眠っていた。
もし、これが“主催者権限”によるものなら、この場に立ち入った時点で私にも影響があるはず。だが、そんな様子はない。
となれば、これは魔王によるものではない可能性が出てくる。
「・・・まあいい。この先に進めば真相はわかる」
そして、私はこの先・・・より倒れているものの多いほうに進んでいった。
???
「と、私が話せるのはここまでだ」
「あの・・・結局原因はなんなんですか?それに、進んだ先には何が?」
僕がそう聞くと、白夜叉さんは少しばつが悪そうにして・・・
「悪いが、私には分からん・・・進んだ先で私も眠気に襲われてしまい、情けないことに引き返してきてしまってな・・・」
「・・・階層支配者が何をしてるのよ・・・」
「・・・・・・ぐうの音も出ん・・・」
本当にすまなさそうにしている辺り、この人、根はしっかりとした人なんだと思う。
普段のセクハラ発言、行動はかなりの問題児的行動だけど・・・箱庭三大問題児と言われるほどではない気が・・・
「で、話を戻しますけど・・・そんな案件を、何で僕たち二人に頼むんですか?言っちゃうと、僕たちただ珍しいギフトを持ってるだけの二人組みですよ?」
「いや、まあ確かにそうなのだが・・・私が眠気に襲われる寸前、確かに聞いたのだ。ヴァイオリンの音を」
何でこのタイミングで楽器の音が・・・?
「やっぱり、そう言うことね」
「あの・・・そろそろ本当に説明をお願いしたいのですが・・・」
「ご主人様?まさかとは思いますけど、まだ分からないのですか・・・?」
始めて見た気がするなぁ、ラッテンさんが本気で呆れた顔。
今までにも何度か情けない姿を見せたことはあるんだけど、そのときは弄るネタを見つけて楽しそうにしてたんだよね・・・それどころじゃないくらい、
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