第T章:剣の世界の魔法使い
心意
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ヒースクリフの方を睨み付けたキリトが叫ぶ。
「させない!お前を倒して、この世界を終わらせる!!」
キリトの剣に、真黒いオーラが宿っていく。それは、過剰光。ただの一度も使ったことの無い心意の炎を、キリトは宿している。
「なるほど……君も心意を使うか。よかろう。来るがいい」
ヒースクリフもまた、暗黒の過剰光を自らの剣にまとわせる。キリトが憎しみのこもった目でヒースクリフをにらみ、飛び掛かろうとしたその時――――
「だめです、キリトさん!!」
「――――!?」
突然後ろからかかってきた声に、キリトは止まった。
シェリーナが、キリトを呼び止め、叫ぶ。
「憎しみや怒りじゃ、ヒースクリフさんは倒せません!!」
「……シェリーナ……」
「キリトさん」
すぐ近くで聞こえた声に振り向くと、ドレイクが立っていた。ドレイクの魔導服はぼろぼろになっていたが、それでもまだ、ドレイクの纏う強者の雰囲気は失われてはいなかった。
「私たちの希望を、かき集めてください。《希望》の心意なら、《絶望》の……破壊の心意を乗り越えられるはずです」
ドレイクの言葉を受けて、キリトは目を閉じる。意識を、自分の脳の奥深く……魂の領域へと向ける。
「キリトさん!!」
「キリト!!」
「負けるんじゃねぇぞ!」
「いけぇ《黒の剣士》!!」
「リア充爆発しろ!!」
「キリト君――――――!!」
「お、お、オオオオオオオ!!」
カッ、と目を見開く。キリトの右手、真っ二つに折れてしまった《エリュシデータ》を包み込むかのように、純白の光が集まっていく。それだけではない。左手の白い剣、《ダークリパルサー》が、とくん、とくん、とほのかな温かさと共に光を放っている。
「キリトさん。あなたが一人ではないことを、決して忘れないでください。《怒り》《絶望》はたった一人でも行える負。だけど、《希望》は、誰かの助けを借りなければ、誰かと手を取り合わなければ発揮できない正。たった一人で戦っている茅場卿に、それを教えてあげてください」
ドレイクの声が、耳に入ってくる。キリトは、全身に集まってきた暖かい光をかき集めて、剣にのせる。
「うぉおおお!!」
地面を蹴る。激しい光と共に、キリトの姿が粒となって消える。そして、ヒースクリフの目の前で実体化した。
「――――来たか」
「おぁあああ!!」
キリトの二刀が、ヒースクリフに迫る。
「来るがいいキリト君!この世界の勇者よ!!」
ヒースクリフが、漆黒の魔剣を掲げ、攻撃を防御しようとする。しかし――――
「――――っ」
キリトの剣の軌道
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