第6章:女の決意・男の勘違い
第14話:再会した嫁の前で、別の女を口説くのはヤメロ
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
(ロザリーヒル)
マリーSIDE
相変わらず女の事になると目敏いわね。
つーかピサロナイトって女だったんだ……しかもピエールさんクリソツのホビット族。
あのオッサン、口説きモードに入ってるのかな?
「ほら……惚れてる男と同じ顔なんだから、心と股を開いちゃっても問題ないでしょ? その甲冑脱ぎなよ」
あのオッサンにとっては、この状態は普通の範囲なのだろうが、常識人な私達には異常なのだ。
我が父の事ながら、思わずリューノと顔を見合わせて溜息をついてしまう。
「オイ! 久しぶりに再会した愛妻の目の前で、別の女を口説くのはヤメロ!」
だが、流石に納得いかないのだろう。
直ぐ横で色っぽい格好しているお母さんが、ナンパ夫のアレを握りドスの効いた声で牽制する。
「イテテテテテッ……ヤメてよ! そこは……暴れん坊将軍は、デリケートなんだから! そんなに乱暴に握っちゃダメ!」
そのデリケート部分を押っ放り出して、浮気してるお前が悪い。
「ふざけるな馬鹿夫婦が! 顔が同じだからと言って、私が貴様に気を許すと思ってるのか!?」
お父さんの裸を直視している似非ピエールは、どうやら混乱している様だ。
『気を許す』とか、そんな問題じゃないだろう。
「あの女(似非ピエール)……処女ね」
私の隣でシンちゃんを落ち着かせてたリューノが、惚れてる男に激似の裸(主にアレ)を目の当たりにし、嬉し恥ずかし超困惑状態で喚く女を見て、冷静に状況を分析している。ほほぅ……御主もソレが判る様になってきたか!
「あ、あの……ピサロナイトさん……だっけ? 取り敢えず剣を納めてくれないかな。お前は早く服を着ろ!」
遂に動いたのはマイダーリン!
騒動発祥地の最も近くに居たので、状況を纏めようと問題児に服を着させようとする。
「ビアンカさんも……名残惜しいですけど服をちゃんと着て下さい。貴女が何時までもその格好だと、この馬鹿がアレですから! それに、亡くなった彼女が貴女そっくりなシン君に……」
そう言いながら、お父さんにピサロナイトの剣先を離させ、二人の間に割り込んで距離を置かせるウルフ。
『名残惜しい』の一言に、思わずリューノに視線を向けてしまう私。
彼女も顔を顰めてこっちを見ている……
きっと私も同じ様な顔をしているのだろう。
「ピサロナイトさん……俺達は貴女にも、貴女の守る彼女(ロザリー)にも、危害を加えるつもりはありません。見ての通り、ビアンカさんを迎えに来ただけなんです」
「危害は加えないけど、暴れん坊将軍は咥えてほしいなぁ(笑)」
「黙れ馬鹿! 早く服着ろ馬鹿!」
一生懸命事態を収拾させるウルフ……
その足を引っ張る父……
流石に今回は、あんたにノれないわぁ……
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ