序章 手を取り合って
第1話 だめっこどうぶつ
[3/4]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
から、何百何千と模擬戦をした中で初である。
内心によによとしながら、ゆるむ頬をとどめる。
「シグナムの剣にシールドの展開が間に合ったからの勝利だろうな」
「うん、紫電一閃にはいっつもやられていたからね。強度を犠牲にしてシールドの展開速度を速めたんだ」
言葉にするのは簡単だが、これがなかなか大変だった。
紫電一閃の速さに間に合い、そのうえある程度持ちこたえる強度が必要だった。
速さを重視すれば強度がおろそかになり、その逆もまた同じ。
まさに血と汗と涙の結晶なのである。
ボクがドヤ顔してもしかたがないだろう?よね?
とはいえ、全力で戦うと一番強いのはボクだったりする。
技術を磨くために、普段はリミッターをかけているのだ。
「発想はいい。ただ、次はシグナムも対応してくる。二度目はないぜ」
「はーい。わかっていますよ、ヴィータ姉」
褒めてあげつつ、しっかりと釘を刺すことを忘れない。
ヴィータのこんなところがお姉ちゃんっぽい。
伊達にヴィータ姉と呼んでいない。
普段のお姉ちゃんぶる姿には微笑ましさを感じるが、やっぱり頼りになる姉のような存在――それがヴィータ姉である。
「ところで、シグナムはどこにいったの?」
「外で鍛錬しにいった。負けたのがやっぱり悔しんだろうな」
「げえ、いまよりもっと強くなったらまた勝てなくなるよ……」
「あたしたちが負けたら、はやてを守れない。だから、たとえ相手がはやてだろうと負けるわけにはいかないんだよ」
「ふふ、嬉しいけど、ボクは守られてばかりの主じゃないよ」
ヴィータに強気の視線を送ると鼻で笑われた。
明日の模擬戦は本気のヴィータが相手らしい。
藪蛇だったか……。
いろいろあるけど、ボクたち八神一家は元気に暮らしています。
◇
さて、ボクこと『八神はやて』には秘密がある。
それは――前世の記憶。
その記憶によれば、『八神はやて』はとあるアニメの登場人物だった。
アニメの名は「魔法少女リリカルなのは」。
無印、A's、Strikersの三部作になっており、そのうち無印以外に出演している。
なんと、三人いる主人公ズの一人らしい。
まあ、人気はほかの2人……確か『白い魔王』とか『フェイトそん』だっけ?には及ばないそうだが。
ボクは、アニメの登場人物になってしまったようである。
前世の記憶ときくと、とても便利なように思える。
が、実際は虫食いだらけで、自分が何者だったのかはほとんどわからない。
この「見知らぬ記憶」が、おそらく前世の記憶だろう、と見当がついたのも成長してからである。
ボクは、二次創作にありがち
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ