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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-10
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くなった。その代わりに、感情のこもっていない視線が蓮を捉える。
こんな奴いなくなって当然だ。死んで当然だ。そんな感情が、あの瞳から読み取れる。私は、その瞳を見た瞬間、激しい憎悪を覚えた。


憎い、憎い、憎い。殺してやりたい。絶対に殺してやる。殺す……っ!!
そんな感情に私は囚われる。でも私は、今は無力だ。ISを持っていても使えたとしても、すり抜けるだけ。何かを持って殴りかかろうとしても殴りかかる前に何も持てない。悔しくて私は、膝から崩れ落ちるしかなかった。


悔しくて、目に涙が滲んできた。なんとなく蓮を見た。なんとなく……なのだろうか。誰かに言われて見たといった方が正しいのかもしれない。
でも、愛しい人のこんな姿は見たくなかった。もう意識も朦朧としていて、今すぐにも意識を失って消えてしまいそうだった。そんな彼が、誰にも見えない筈の私をしっかりと捉えていた。試しに私は、悪いと思いつつも、立ち上がって右に左に動いてみた。ついてくる彼の視線。
そして、掠れて声も出せない状態にあるのに口を開いて何かを呟くように言った。それは一番近くにいた束さんには聞こえなかったらしく、もう一度と懇願していた。


私は、何を言っているのか聞こえた気がする。そしてそれは、明らかに私に向けられた言葉であることが分かる。――――嬉しかった。


私は、もう一度蓮を撃ったやつを睨んだ。そいつは、なおも感情なく蓮を見つめていた。
そいつ――――モンド・グロッソ世界大会。第一回ブリュンヒルデ、織斑千冬の唯一の血縁者。織斑一夏は、私の愛おしい人の敵だ。


――ダァン!


そう思った時であった。今度は一回、銃声が辺りに響いたのは。
私は、音の鳴った方を反射的に見た。そこには、私がいた。自分の専用機をボロボロになっても纏ったままで、隣には食い下がるようにやめるように言っていたと思われる妹。その妹も悲痛な表情をしている。そしてもう一人の私の右手には、IS用の小型の銃、ハンドガンをモデルにして作られた銃が握られていた。撃った方を見ると、私の前に立っている織斑一夏が、血を口から吐いて倒れていくところだった。


      ◯


「――――はっ!」


ガバッと勢いよく体を起こした楯無。どうやら魘されていたようでいやな汗がべったりと体から吹き出ていた。下着と蓮のワイシャツを着て寝ていたため、ワイシャツは汗でぐっしょりとしていた。隣のベットを見ると、寝ている筈の蓮がいなくなっていた。


ベットから起きて洗面所へ行き、ぐっしょりとしてしまったワイシャツを脱いで洗濯かごに入れると、棚からタオルを取り出した後、上の下着も取り去り、その豊満な胸を隠そうともせずにタオルで汗を拭きとる。拭いていく過程で下の下着も脱いで一糸纏わぬ姿になる
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