暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第221話】
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 俺とセシリアは炊飯器の前まで戻る。

 まださっきの唇の感触と余韻が俺にもセシリアにも残ってる為か、まだ顔が赤いままだった。

 炊飯器には湯気が立ち込め、炊き上がった合図を出していた。

 そして、炊飯器を開けると大量の湯気と共にキラキラと輝く白米がふっくら炊き上がっていた。


「ん、いい感じに炊き上がってるな。 ……まあ飯盒炊飯じゃないから焦げる心配は無いがな」

「飯盒炊飯……?」


 首を傾けて聞き返すセシリア――まあ知らなかったらそうだよな。


「主に林間学校とかで、生徒が自分達だけで米を炊くんだよ。 日本だと小学校や中学校、高校一年の時何かでもたまにやるかな? その時は大概レトルトカレーを温めてカレーにするんだがな」

「そうなのですか? ……うふふ、楽しそうですわね♪」

「まあな。 ……でも女尊男卑な昨今だと大半の女子は手伝わずに話に華を咲かせて雑務は俺達がやって、出来上がったカレーを食べるだけという構図が出来上がってたな。 ……美冬や未来、一部女子はちゃんと手伝うどころか解らない人にはちゃんとやり方をせつめしてたが」


 昔の事を思い出しながら、お椀に炊いた米を入れていくのだが――。


「あら? ヒルトさん、何故お椀に炊いたばかりのお米を……?」


 疑問に思ったのか、セシリアは俺に聞いてきた。


「ん? ……お椀を使うのはおにぎり作るのに使うからだよ」

「……? 普通は手で握るのではありませんか?」


 そう言って手でおにぎりを握る仕草をするセシリア。


「……出来る人はそれでいいが、出来ない人にはこの方法だと形を整えやすいんだよ。 まあ見てろって」


 きょとんとした表情のまま、俺を見つめるセシリアを他所に、俺はもう一つのお椀を用意し、二つ重ねて中のご飯を溢れないようにする。

 そして、勢いよく縦に横にと二つ重ねたお椀をシェイクし始めた。

 こうすることによって、中のご飯が綺麗な丸の形になって、おにぎりの形に形成しやすくなる。
 ……俺はこのやり方に慣れたからか、こっちで教える方が多いが――。

 暫く振り続け、頃合いを見計らってから二つ重ねたお椀を開く。

 開いた中にはシェイクされ、中で激しく転がった結果丸くなったご飯がそこにあり、炊きたての為湯気が上がっていた。


「……こんな感じだな。 出来る人はそのまま握るが、出来ない人にはこれがオススメだな。 ……まあ疲れるかもしれないし、お椀を重ねてシェイクする姿はシュールかもしれないが」

「うふふ、ですが……これも人の知恵というものですから。 格好の良し悪しで決めるのも浅はかなものですわよ? 例え他人から見たらシュールな姿でも、実践する為の工
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ