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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第221話】
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夫という事を考えればどんな知恵でも馬鹿には出来ませんもの♪」


 そう笑顔で言いながら、杓文字を手にとって用意されたお椀にご飯を入れていく。

 そして、先ほど俺がやって見せたようにもう一つのお椀を重ねて蓋をし、ゆっくりと上下左右に振り始めた。

 一方の俺は、水道で軽く手を濡らし、丸くなったご飯をおにぎりの形に握っていく。

 セシリアも、ある程度振り終えるとお椀を開け、中を確認してから少し手を水で濡らしながら握り始めるのだが――。


「……なかなか上手くいかないものですわね」


 何処か不恰好な三角のおにぎりを見て怪訝そうな表情を見せるセシリア。

「……あまり力を込めすぎずにやってみろよ? ……というか、後ろからサポートした方が早いか」

「え? ――ひゃっ。 ひ、ヒルト……さん?」


 端から見ると俺がセシリアを後ろから抱き締める形に見えるだろう。

 セシリアもいきなりで小さく声を上げたが、直ぐに表情が和らぐ。

 ……てかさっきまで濃厚なキスして、今さらこれで俺は照れないが。


「ほら、こうやってめちゃくちゃ力は入れずに……」

「こ、こうですか……?」


 重ねた手に照れてるのか、力弱い言葉で聞き返すセシリアは、ゆっくりとおにぎりを握っていく。


「そうそう。 力が強すぎると硬くなるし、弱いとおにぎりが崩れるからな」

「な、成る程……力加減が大事なのですわね」


 セシリアの白い肌が、徐々に赤く染まっていくのが見える。


「……なんだ? さっきまでキスしてたのに……恥ずかしいか……?」

「……〜〜〜〜っ。 し、知りませんわ……っ」


 照れ隠しの為か、そっぽを向くセシリア。

 結って束ねたセシリアのポニーテールが、ぺしっと頬に当たるが特に気にすることもなくサポートを続けた。

 そうこうして炊いた米全てでおにぎり(中身有りと無し)を作ると――。


「……うふふ、どうにか完成致しましたわね?」

「……だな。 さて、ずっとこのままだと色々噂されるからな、離れるぞ?」

「あ……」


 セシリアを解放すると、小さく名残惜しい声をあげた。

 ……そりゃ、俺もあのままの方が落ち着いたりするが……ずっとって訳にはいかないからな。

 振り向いたセシリアの表情は、やはり寂しさが混じっていたが、それを隠すように直ぐに笑顔に戻ると――。


「ひ、ヒルトさん? せっかくですからいただきましょうか? ……海苔は巻かなかったのですか?」

「今回は海苔無しだな。 巻いても好きだがこのまま巻かないのも好きなんだよ。 いただきまーす」


 手に取り、一口おにぎりを頬張るとセシリアはまじ
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