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【IS】例えばこんな生活は。
例えばこんな裏方の仕事にもやりがいはある
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本来聞こえるはずのない振動音が鼓膜を叩く。―――間違いない。何者かが建物内で戦闘を行っている。それも、近い。ウツホはずかずかと進み、やがて現在は使われていないはずの学内倉庫の前で足をピタリと止めた。

「ここ・・・!」
「おい、待て!学園側からの指示を待つんだ。独断行動は後後被害を増やす結果になりかねん」

どうにか追いついたラウラがウツホの肩を掴んだ。が、関係ないとばかりに掴んだ腕ごと彼女の身体は前へ進む。何という力だろう。中身がISなだけにラウラの軽い体重ではどうあがいても彼女の歩みを止められない。

「やだ。人間って脆いんでしょ?私はISだもん、怪我してもすぐに治るもん」
「馬鹿者!そういう問題では・・・」
「もう戦闘が始まってる!ヴァイスお姉ちゃんが苦しんでるの!!どうして邪魔するの!?」

振り払うようにウツホの手が振られる。その速度は人間が振るそれよりも明らかに鋭く―――



次の瞬間、私はどうしてか天井を眺めていた。

頭の後ろに鋭い痛みを感じる。周囲を軽く見渡してみたところ、ここはIS学園医務室で間違いなさそうだ。しかし経験則と言うのは馬鹿に出来ない。私は現在の状況と酷似した経験を一度した事があったため、自分に何が起きたか見当がついてしまった。

「そうか、私は失神したのか」

一度だけ、教官を怒らせて頭を(死なない程度に)強打されたことがあった。その時初めて知ったのだが、気絶からの覚醒は体感時間ではほんの一瞬―――それこそ瞬きの間くらいにしか感じないのだ。ついでに失神と気絶は同じ意味で、失神の方が医学で使われる言葉と言うどうでもいい情報も知ったが。

「目が覚めたみたいだね」

隣から聞き覚えのある声がした。横を見てみると―――

「あ、君がここに運ばれた理由は頭部の強打による裂傷と失神が原因だよ?」
「あ、ああ。いや、その・・・シャルロット・デュノア。お前は何故そんなにボロボロなのだ?」

そこには何故かズタボロなシャルロットがベッドに寝そべっていた。どうも足の骨とか折れてる。
本当に、いったい何が起きたのだろうか?弟と妹は無事か?それよりあの後ウツホはどうなったというのだ?

「そうだ、ウツホはどうしたのだ?」


「ウツホは・・・その―――学園を退学したよ」

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