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久遠の神話
第六十六話 聡美の迷いその八
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で何でもしようとするので』
『その貴女についつい気遣ってしまっていました』
『それで待っていたのですが』
『今遂にですね』
 声達は待っていたものが来たという感じだった、そうして。
 聡美に対してだ、こうも言って来た。
『では今から貴女のいる場所に向かいます』
『ギリシアから』
「お願いします、そして」
『あの方を止めましょう』
『今度こそ』
「私一人で出来ることは限られていますね」
 聡美は顔を俯けさせた、そのうえで言った言葉だった。
「ほんの少しです」
『誰もがそうです』
『神といえど』
 声達は俯いた聡美を励ます様にして声をかけてきた。
『ですからこのことは』
『お姉様が心配されることではありません』
「そうなのですね」
『私達が日本に行ってからです』
『力を合わせて戦いを止めましょう』
『今も行われているこの無益な戦いを』
『何としても止めましょう』
 こう話してそうしてだった、声達は聡美に協力を約束した。
 その約束を受けてだ、聡美は微笑んで述べた。
「有り難うございます、それでは」
『何なりと言って下さい』
『日本で』
 声達は聡美に優しい声を告げてから今は気配を消した、聡美は彼女達の言葉を受けて空を見上げた。今空は青空だった。
 そこには月はない、太陽がある。聡美はその太陽に希望を見つつ今は一人微笑むのだった。


第六十六話   完


                    2013・4・24
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