TURN116 カテーリンの資質その八
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「帝がいるけれどな」
「柴神様とね」
「あそこが参加国全てが平等で共存共栄を言ったんだよな」
「はい、そうです」
イギリス妹は兄の言葉に答えた。
「その通りです」
「それどうなんだろうな」
首を傾げさせての言葉だった。
「日本が主導しててもな」
「盟主じゃないからな」
「日本には武士道がありますが」
イギリス妹は日本の軍人の倫理観について述べた。
「あれもありますが」
「あれはノブレス=オブリージュか?」
「また違うものです、武士とはです」
それは何かというと。
「元々農民から出ています」
「そうだったな」
「騎士とはまた違うものです」
「貴族じゃないからな」
到底だというのだ。
「主導する人間がいないんだよな、強くな」
「共存共栄は確かに理想ですが」
「理想に過ぎないな」
「理想は所詮理想です」
「やはり強く主導する国が必要なんだよ」
日本はあえて盟主ではなく主導する国が必要なのだ。
「エイリスがな」
「我々こそがですね」
「エイリスしかないだろ、これまで人類社会を導いてきたんだぞ」
イギリスにはこの自負があった、彼にしてもエイリスの様々な問題点を知ってはいるがそれ以上にこの自負があった。
それでだ、こう言うのだった。
「それが他の国に出来るか、いやまあな」
「祖国さん、これね」
イギリスも言いながら気付いた、そしてエルザはその彼にそっとケーキを差し出した。
「美味しいわよ」
「ああ、悪いな」
「とにかく今後さらに厳しい戦いになるから」
エルザは今いる面々にあらためて言った。
「気を引き締めていきましょう」
「そうですね、では」
イギリス妹もエルザの真意を見抜いて応えた。
「今は英気を養い」
「お茶の後で作戦会議に入りましょう」
エルザはこの場をこれで収めた、そしてだった。
お茶の時と同じ顔触れで作戦会議に入った、ここでも飲むのはお茶だ。
そのミルクティーを飲みながらだ、ロレンスが言った。
「ソビエトを制圧した枢軸国ですが」
「今後どういった作戦行動に出るかですね」
セーラがロレンスに応える、会議の主賓の席から。
「彼等が」
「はい、そのままソビエト領からドクツ領に入ることが最も可能性が高いです」
「ではそこからオフランス、エイリス本土にですね」
「来ると思いますが」
だが、だった。ロレンスはここで一同にこのことを話した。
「ただヒムラー総統はドクツの勢力圏とソビエトの勢力圏の境に兵を置き」
「防衛ラインではないな」
モンゴメリーはロレンスの口調からすぐに察した。
「ワープ航路をか」
「破壊しソビエト側からの侵攻を防ぐ様です」
「枢軸諸国はドクツ軍と比べて数は圧倒的です」
会議の参謀役を務めるイギリス
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