第二章
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第二章
「何かな。俺達バイクに乗るとな」
リーダーは苦笑いを浮かべてその駅を見ながら言った。
「いつもここだよな」
「そうだね」
白がリーダーの言葉に頷く。白い朝の空の下で浮かび上がっているその駅を見ながら皆で言い合う。
「気付けばここに来てるよね」
「他の場所でもいいんだけれどな」
リーダーはまた苦笑いで言った。
「どうしてかいつもここなんだよな、本当にな」
「何でかな」
細目も少し苦笑いになって言ってきた。
「いつもここにいるのは」
「さてな。やっぱり何かあるんだろうけれどな」
ノッポはずっとレールを見ていた。二本あるそのレールを。
「ここに何か思い入れがな」
「思い入れか」
「そういえば何時か」
ここで僕達は言い合った。そのレールを見ながら。
「この街を出るんだよな」
「だよな。バンドも今物凄い評価出てるし」
「何時かきっと」
その時のことを考えた。僕達はバンドをやっていてそれが今地元で物凄い人気になっている。もうすぐ東京の方から声がかかるなんてことも言われていた。
「そうしたらこの街ともお別れか」
「別に寂しくないけれどね」
白はふと醒めたように言ってきた。
「けれど何かね。やっぱり悲しくなるかな、その時は」
「だよな、いざってなるとな」
「その時はな」
その言葉に僕も弟も頷いた。
「生まれてからずっとここにいたし」
「出ることなんて旅行位でしかなかったし」
「そこを離れるなんてな」
髭もまた言いだしてきた。
「考えられないよな。ここを離れるなんて」
「けれど絶対に離れるんだぜ、俺達が成功したらな」
リーダーはこのことを強調してきた。
「この街を出てな」
「それはもうすぐなんだろうな」
ノッポも言った。
「東京の会社の耳にも入ってるのは間違いないしな」
「そうだよな。じゃあ本当に」
僕もずっとレールを見ていた。まだ電車も来ていなくてホームにも誰もいない。僕はその静まり返った駅を見て話すのだった。
「俺達はこの街に」
「けれど。変わりたくはないかな」
細目はまたふと言ってきた。
「変わるのは。嫌だね」
「変わるって何が?」
白はそれを聞いてすぐに細目に尋ねてきた。
「何が変わるの?一体」
「だからさ、今の俺達がだよ」
細目が言うのはこのことだった。
「俺達が変わるのは嫌だよ。今の俺達が変わるのはさ」
「どういう意味かわからないけれど」
弟も細目の言葉の意味はよくわからなかった。それは皆だった。皆細目の言うことがどういうことかわかりかねていた。当然僕もそうだった。
「それって」
「今俺達ってガキじゃない」
「ガキ!?」
「うん、悪ガキじゃない」
はっきり言って真面目じゃなかった。高校生でも全員煙
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