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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四十一話:古代魔法の復活
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とじゃないよね。


 ベネット先生に着いていく私の後にヘンリーも続き、魔法は使わずアナログに火を起こしてツボを煮立たせる先生を手伝います。

「ほとんど、調合は終わっておるでの。残るは最後の仕上げとして、煮立ったところでこのルラムーン草を投げ込むだけじゃ。この部屋におれば大丈夫じゃとは思うが、念のため二人ともツボの側から離れぬようにの」
「はい!」
「わかりました」

 ツボが大きいので、なかなか煮立ってきませんが。
 ヘンリーの魔法で火力を上げられれば楽なんですがそうもいかないので、扇いで空気を送ったり薪を足したりして、煮立つのを待ちます。

 火の勢いを増す作業でかいた汗を拭っていると、不意にベネット先生が緊迫した声を上げます。

「……む!二人とも、もう良い!作業はやめて、待て!……よし、ここじゃ!!」

 先生の指示に従って作業の手を止めた直後、気合いと共にルラムーン草がツボの中に投げ込まれ。

 既に煮立っていたツボの中が、ルラムーン草に反応してさらに激しく沸き立ちます。

「……よし!上手くいきそうじゃ!」

 ベネット先生が興奮した様子で、覗き込むようにツボの中を見守ります。

 ……でも、これって。

「……あの、先生。そんなに近付いたら、危ないのでは」

 確かこの後、爆発とかそんなのがあった気が。

 かけた声も聞こえていない様子の先生の安全を確保するために歩み寄ろうとしたところで、一気にツボの中からケムリが噴き出します。

「……先生!危な」
「ドーラ!!危ない!!」

 叫んで駆け寄ろうとしたところで後ろからヘンリーに抱え込まれて、結局果たせず。

 轟音が響き渡って目の前で先生が背後に向かって吹っ飛んでいくのを為す術も無く見守り、自分も吹き飛ばされそうになるのをヘンリーに庇われて。

 と、思う間も無く視界が真っ白になり、庇ってくれたヘンリーごと吹き飛ばされて、叩き付けられたような鈍い振動を感じたのを最後に、意識を失いました。





「…………う…………?」

 まだケムリの立ち込める室内で、意識を取り戻したのは私が最初だったようで。

 意識を失ってもしっかりと私を抱えたままのヘンリーの腕の中で、痛む頭を抱えながら目を覚まします。

「……ヘンリー。……大丈夫?……生きてる、よね?」

 心臓の鼓動も息遣いも感じるので、生きてることは間違いないですが。

 頭を打ったりなんかしてないだろうか、と声をかけながらそっと頭を探っていると。

「……つー……。……ドーラ、大丈夫か?」

 意識を取り戻したヘンリーが、一言目から私の心配を始めました。

 ……これなら、頭も大丈夫そうだけど。

「私は、大丈夫。
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