月光校庭のエクスカリバー
第38話
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イッセーはそのまま飛び上がるようにアッパーカットを狙うが紫藤はぎりぎりのところで躱した。
そして紫藤は腹部に横なぎし、イッセーは後ろに下がる。
「・・・ごめんなさい。あなたを見くびっていたようね。いい動きだわ」
イッセーは続けようとしたが、足から崩れ落ちた。
先の一撃をイッセーは掠る程度ではあるが躱しきれなかった。
だがその掠った傷からうっすら血を流し、そして煙が上がっている。
「聖剣のダメージよ。悪魔、堕天使は聖剣の一撃を受ければ力と存在を消されてしまう。掠っただけでもそれほどのダメージを与えるのよ。もう少し深かったら致命傷になってたかもね」
あの程度ですら、イッセーが立ち上がれないほどの力を奪われたという事か。
「『Reset!!』」
さらにブーステッドギアの倍加もリセットされてしまった。こっちは勝負ありか。
「あなたの敗因は相手の力量を正確に読み取れていないこと。あと一回倍加していればあなたが確実に勝っていたわ」
これが実践だったならそれで終了。死んでいた。
むしろ今回のは教訓になっただろう。俺も観戦していた人間だが痛感した。
「はあああぁぁぁぁっ!!」
祐斗の方も大詰めのようだ。
「僕の魔剣の破壊力とその聖剣の破壊力!どちらが上か勝負だ!」
祐斗が巨大な魔剣を創り出した。それは2mはある巨大なもので禍々しいオーラを放っている。
まさしく今の祐斗を表した魔剣ではあるが、それは悪手だ。
「選択を間違えたね」
ゼノヴィアは落胆したまま、その魔剣と打ち合った。
ガキィィィン!!
砕けたのは祐斗の魔剣だ。ゼノヴィアの聖剣は刃こぼれすら起こしていない。
「君の武器は多彩な魔剣とその俊足だ。巨大な魔剣ではその足を殺すことになる。そんなこともわからないのか?」
ドンッ!
聖剣の柄頭を祐斗の腹部にたたき込んだ。
その攻撃にすら相当の威力があるようで、祐斗はそのまま倒れ込む。
「刀身の攻撃で無いにしろ、今の一撃で当分たちあがれまい。勝負ありだ」
「ま、待て!」
倒れたままゼノヴィアに手を伸ばすがそれだけだった。
「『先輩』次はもう少し冷静になってから来るといい。リアス・グレモリー、先ほどの件よろしく頼むよ」
ゼノヴィアは聖剣をしまい、ローブを着て立ち去ろうとする。
「一つだけ赤龍帝に言っておこうか。―――『白い龍』はすでに目覚めているぞ」
そう言い残し今度こそゼノヴィアは去って行った。
「ちょっと待ってよ、ゼノヴィア。それじゃ、イッセー君、裁いてほしかったらいつでも言ってね。アーメン」
ゼノヴィアを追うように紫藤も立ち去る。
今回の勝負は完敗だ。
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