暁 〜小説投稿サイト〜
DQX 世界を救う少女
第一部・トラブルを解決する幼女
アルミラージの恩返し
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階段をのぼると、そこにはおどろくべき光景が広がっていました。

「モンスター、ですね。」
「モンスターだな、うん。」

そこには、辺り一面スライムだのドラキーだの一角うさぎだの…といったモンスターがはびこっていたのです!

「ビアンお兄さん。逃げた方がいいと思いますか?」
「ああ、逃げた方がいいと思う。」
「じゃあ、逃げましょう。」
「うん、逃げよう。」

そう短く言葉を交わすと、私達は全速力で一番魔物が少ない場所へ走り出しました。
すると、そこからなんと!!
たくさんのモンスターが地面から飛び出してきたのです!

「罠でした、どうしましょう!」
「ええっと…とりあえず俺が相手してるからお前逃げろ!」
「何言ってんですか、死ぬなら一緒ですよ!」
「縁起でもないこと言うな!お前俺より二つも下だし女だろ!お前の方が強いから、薬師見つけられるかもだし!」
「…分かりました、逃げます!死ぬんじゃありませんよ!」
「当たり前だろ!お前こそちゃんと逃げろよ!そして薬師を見つける!」
「はいっ!絶対見つけます!!」


そう話をして、私はビアンお兄さんのおかげで警備の薄くなった魔物の群れを一人で逃げ出したのでした。

しばらく行くと、なにかが地面にうずくまっていました。

「そこの方、どうしましたか。」
「キュウゥ…。」

動物のような声です。
うさぎか何かでしょうか。

「うさぎさんですか?どうしました?」
「キュウ…。」

うさぎさんが喋れないのは分かってるんですけど…。
これ以外にどうやって話しかければいいのでしょうか。

「けがしたんですか?」
「ピュウ…プスー。」

電池が切れたみたいな声で鳴きました。
死んじゃったんじゃないでしょうね!?

「大丈夫ですか!?」

近づいて行くと…うさぎだと思っていたその子は。
なんと、アルミラージというモンスターでした!
一角うさぎに似ているけど、少し色が違います。
でも、アルミラージなんてこの辺にはいないはずなんです。
いくら私が強い方でも、戦って勝てるとは思えません!

…いや、でも。
そうです、命の重さに違いはないんです!
前読んだ本に、そう書いてありました。
もし治してあげて襲ってきたら、そのときはそのときです!

「アルミラージちゃん、大丈夫ですか?今治してあげますから心配要りませんよ!」
「プスー。ピスー。プスプス。」

なんかかわいいです。
そのうちこんな子を飼ってみたいな。
そんなことを考えながら、薬草で手当てしてやりました。
少し痕が見えますが、痛くはなさそうです。

「痛くないですか。もうけがしちゃだめですよ?」
「ピキュ。プキュプキュ。キュウ!」

襲ってこないで
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