第T章:剣の世界の魔法使い
《エネマリア》
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いた禍々しい光が、温かいものに変わる。入口の扉が解放される。
「……勝った、のか……?」
誰かが、信じられない、といったふうに呟いた。
「勝ったんだ……やった……勝った!!勝ったぞおおおお!!」
「「「うぉおおおおおおお!!」」」
どぉぉっ!とプレイヤー達が沸く。長い死闘に、幕が下ろされた瞬間だった。
「やりましたね、ドレイク!」
「はい!……間に合って、本当によかった……」
壁にもたれかかって座り込み、ほっとしたように微笑むドレイク。隣でシェリーナも同じように笑った。
ガシャリ、という金属音が響き渡ったことで、沸き立っていたボス部屋は一気に静まり返った。注目が、音の発生源――――《聖騎士》ヒースクリフに集まる。赤衣の騎士は、穏やかに微笑み、
「ありがとうドレイク君。シェリーナ君。君たちが…いかなる方法かはわからないが…来てくれなければ、我々は敗北していた。《攻略組》を代表して礼を言わせてもらうよ」
ヒースクリフがぺこりと頭を下げる。
しかしドレイクは、少し厳しい表情で、言い返した。
「――――申し訳ない。本当は、この戦いが次のユニークスキル使いを決める戦いだったはずでしょう?あなたの計画を狂わせてしまいましたね」
ピクリ、とヒースクリフが動く。《攻略組》に衝撃が走る。ざわざわとざわめきだしたプレイヤーたちの間をぬって、黒い閃光が走る。ヒースクリフが驚愕に目を見開き、盾を構えた時にはもう遅い。
激戦でグリーンゾーンぎりぎりのところを保っていたヒースクリフのHPは、突然の黒い閃光――――キリトの攻撃によって、当然の様にグリーンから、イエローに変わる……はずだった。
しかし、HPはグリーンのまま。代わりに、紫色のウィンドウが出現し、キリトを弾き返した。
【不死属性】
先ほどのドレイクの言葉より、さらに大きな激震が攻略組内を走った。
「団長……?どういうこと、ですか……?」
アスナが、震える声で問う。
「……《神聖剣》の効果だ」
「違うだろう」
言い放ったのは、キリトだった。
「あんたのHPは、決してそのグリーンゾーンから減らない。それに……まさか、あのデュエルの時の変なスピードも、《神聖剣》の能力だ、なんて言わないだろう?」
「……」
沈黙するヒースクリフに、さらにたたみかけるようにキリトが言う。
「『この世界を創り、観賞すること』……あの日、茅場晶彦は自分の目的をそう言った。それから、俺は、ずっとあいつが、どこからこの世界を監視しているのか気になっていた。けどな……俺は、その答えを、もしかしたら、この世界に来る前から知ってたんだ。俺が現実世界でむさぼるよ
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