第T章:剣の世界の魔法使い
《エネマリア》
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た長大な片手剣だ。銘を、《嵐神の魂》。普段シェリーナが使用している武器、《嵐神の心臓》の作成過程でできた《失敗作》……理由は、そのあまりの使いにくさにあった。
重すぎるのだ。要求筋力値が、プレイヤーの限界を超えているのではないかと思えるほどに。キリトですら持ち上げることはできても、振り回すことができなかった。シェリーナがこの武器をアイテムストレージに入れるのにも一苦労だったのだ。
それが今、枯れ枝のように軽く感じる。これが一時的ではあれど、プレイヤーの限界を超えた力。
「いきますっ!」
シェリーナは《バールスピリチュアル》を構える。片手剣ソードスキルを起動。《ソニックスマッシュ》の四連撃が、《屍の狩り手》という名のボスモンスターに炸裂する。
「きょしゃぁあああっ!?」
プレイヤーの与えられるダメージとしては破格の量、ボスのHPが削られる。わずかな隙をついて、漆黒の龍王と黒の死神が骨百足を攻撃する。はるか別次元の強さを持ったボスの攻撃が見事にヒットし、骨百足がそのHPを大きく減らす。
「《マキシマイズマジック・フレイム・エクスプロージョン》!!《マキシマイズマジック・ダイヤモンド・ランス》!!」
悲鳴を漏らすボスに、さらなる追撃がかかる。爆発する火球が、水晶の槍が飛び、ボスを抉る。
ボスが攻撃しようとしたその瞬間に、すかさずシェリーナのソードスキルが入る。ボスは行動を阻害され、悲鳴を上げてのたうつ。
『Ooooo!!』
さらに突撃する《エネマリア》の勇士たち。一体一体の力はそれほど大きくないが、全員が攻略組プレイヤークラスの実力を持ったモンスターである。ボスをしっかりと足止めし、黒龍王、ディスティ、そしてドレイクが骨百足を倒すのをサポートする。
「おおおおお!!」
「!?」
シェリーナが攻撃に移ろうとしたとき、すぐ横を黒い閃光が通り過ぎた。黒と白の二本の剣を、まるで太陽のコロナが噴き出すように切り払い、ボスに攻撃する、そのプレイヤーは……
「キリトさん!?」
「お前たちだけに任せておくわけにはいかないだろ!?」
にやり、とキリトが笑うと、後ろでアスナもうなずく。
「おおおおッ!!」
「モンスターどもに負けてられっかよ――――!」
《攻略組》のプレイヤー達も、恐怖を、絶望を、ふり払って突撃する。しかし、骨百足もそれだけでは終わらない。
「きょしゃぁああ!!」
「きぃいい!!」
「きぃいい!!」
屍の狩り手に答え、小さな骨百足が地面から出現する。小さな、といっても、その全長は二メートル近い。プレイヤー達が、再び怖気づく。
その時だった。
「皆さん、七分、七分だけ
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