第T章:剣の世界の魔法使い
死神たちの宴
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しかしボスも負けていない。鋭い無数の足それぞれで、群がるプレイヤーを吹き飛ばす。時折、ぱりん、パキン、といった、プレイヤーの消滅音が響くが、俺達はそれを無理やり意識の外に叩き出して戦った。
「うぉおおお!!」
キリトの二刀が、流星群のような輝きを纏ってボスを貫いていく。
「「りゃぁあああ!!」」
俺達も全身全霊を振り絞って《クロスレンゲキ》。四倍増し斬撃によって、ボスの体が粉々に砕ける。《黒の剣士》の二刀が、ボスに最後の一撃を叩き込む。
「きょしゃぁあああああああ!!!」
骨百足が、耳障りな悲鳴を上げて砕け散る。
「終わった、のか――――?」
俺達は床にへたり込むと、ボス部屋の奥、開く次層への扉を見た。そして、瞠目する。
扉は、開いてなどいなかった。いまだ、強固にその扉しまっている。つまり―――――
「「皆駄目だ!!まだ終わってない!!」」
キリトと俺がほぼ同時に叫ぶ。
直後、上空から、何かが落下してきた。
最初の骨百足の落下の1.5倍ほどありそうな規模の地響き。落下してきたのは、もう一体の骨百足――――名を、《The Dead-Ripper》―――――
「キョシャァアアアアアッッ!!!」
屍の狩り手が、二対四本の腕を振り上げる。その先端は、骸骨の狩り手よりも長く、巨大な鎌になっていた。
つまり、骸骨の狩り手は前座に過ぎない。この《屍の狩り手》こそ、この階層真のボス――――
「うそ、だろ……」
誰かが小さくつぶやく。名前も知らぬプレイヤーか、キリトか、それとも、俺自身か――――。
『『『うわぁああああ!!!』』』
プレイヤー達が半狂乱に陥る。ボス部屋の入口に向かって駆け出すが、いまだその扉は固く閉ざされている。
「きょしゃぁあああ!!」
ボスの腕の鎌が、フィールドを薙ぐ。プレイヤー達が、ポリゴンに変わっていく……。
「こんなの、ないだろ……」
赤髪の刀使い、クラインが呟く。
「こーくん……」
「大丈夫だヒバナ。お前は俺が守る」
「……うん」
普段の快活さを失った、不安げな声をヒバナがあげる。彼女を抱き寄せ、勇気付けてはみたものの、俺をもってしてもこの状況はかなりやばい。それでも、最後まで戦い切らなければならない。勝利という、ただその二文字だけを信じて―――――
絶望的なまでの破壊力を秘めた鎌が振るわれる。恐怖で凍りついたプレイヤー達が、俺の腕の中でヒバナが目を閉じる。彼女を強く抱いて、無意識のうちに俺も――――
しかし、俺達を死がかき消すことは無かった。おそるおそる目をあけた俺達の目に飛び
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