第T章:剣の世界の魔法使い
死神たちの宴
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金色の装飾の入った漆黒のコートを羽織り、黒銀色の胸当て、レギンス、小手を装備する。腰の刀の滑り具合を確かめる。抜刀時に《滑り》が足りないと、《魔剱》の初動モーションとシステムにとらえてもらえないのだ。
ヒバナの服装も、戦闘衣へと変更されていた。肩口から先がない黒いミニスカ浴衣。しめ縄のようなもので絞めつけているせいで、ヒバナの他人より大きな胸が強調されている。腕の部分に赤い包帯、その上から俺のものと同じデザインの黒銀色の小手。下半身はホットパンツからすらりと伸びた足は、膝から先をやはり赤い包帯で覆い、これも俺と同デザインの黒銀色のレギンス。背中にしめ縄のようなもので縛られていた、普通のより一回り巨大な大剣が抜き放たれている。
全員が戦闘準備を終えたと思われる時点でヒースクリフが立ち上がる。
「それでは行こうか。―――――解放の日のために!!」
「おおおおおおおッッ!!」
ヒースクリフがボス部屋の扉を押し開ける。プレイヤー達がときの声を上げ、突入する。背後で、ボス部屋の扉がしまった。
ボス部屋の中は静かだった。静かすぎる。不気味な静寂が、プレイヤー達を怯えさせる。
「おい……」
誰かが耐えかねたように声を漏らした、その時―――――
「上よ!!」
アスナが叫んだ。全員が上を見る。
そこにいたのは、白骨でできた百足。鎌の様になった腕を振り上げて、ボス――――名を、《The Scull-Ripper》が落下してくる。スカスカな見かけによらずボスは大分重いらしく、図ズン、という音と地響きが鳴る。その衝撃で、幾人かのプレイヤーがたたらを踏み、逃げ遅れる。
「キショァアアアアア!!」
骨百足は両手の鎌を振り回し、逃げ遅れたそのプレイヤー達を吹き飛ばす。バウンドし、地面に転がったそのプレイヤーたちのHPが、消滅していた。直後、爆散エフェクト。隣でヒバナが息をのむ気配。
「一撃、だと……!?」
キリトが小さく叫ぶ。その驚愕は俺にも理解できた。攻略組の中でも、レベルが比較的高いものと低いものに分けられる。今回参加しているのは全員がレベルが高い存在達。そんな彼らが、まさか一瞬で撃滅されるとはだれも想像していなかっただろう。
プレイヤーたちの間に緊張が走る。骨百足の追撃が警戒され――――しかし、奴の取った行動は予想を大きく外れたものだった。
飛び上がったのだ。バッタのように、無数の足を使って。再びボス部屋の天井に張り付いたボスは、今度は鎌を天井に深々と打ち付ける。砕け散った岩石が落下してきて、プレイヤー達が吹き飛ばされる。ボスの鎌ほどの攻撃力は無いが、それでも最前線のプレイヤーのHPが一瞬で
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