第T章:剣の世界の魔法使い
死神たちの宴
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るんですよ」といわれる性格の悪さをここぞとばかりに発揮して、凄味のある表情で嫌らしきモノどもを睥睨する。とたんに卑下た表情は鳴りを潜め、プレイヤー達はあわてて退散する。
「これでどうだ」
「……あたしの中では評価が上がったけど、皆の評価は下がった気がするよ……」
隣でヒバナががくりと脱力する。
ドヤ顔の俺達が広場の一角に堂々と居座ると、複数名を除いて多くが場所をあけ、遠くに逃げ出していく。恐らくは俺達の……主に俺の評判、というか悪評に恐怖を覚えたのだろう。
俺とヒバナは、二人で一人のユニークスキル、《雌雄剣》の使い手だ。しかし、それは騒ぎになるとめんどくさいので周りの奴らには伏せている。問題は、俺のもつもう一つのスキルだ。
そのスキルの名前は、《殺人刀》。エクストラスキルと呼ばれる特殊なスキルの中で、ユニークスキルとは言わずとも習得者が非常に少なく、他のスキルと比べて威力が段違いに高いスキル、《十五超技》だ。習得人数は、俺の知っている限りで三人。
《殺人刀》の効果は、簡単に言ってしまえばその名の通り《殺人》だ。かといって、別にPK用のスキルである、ということでは無い。このスキルは、刀の極意と言われる《魔剱》とよばれる現象を発動させるスキルだ。遠距離技のないSAOに置いて、《魔剱》によって打ち出される衝撃波の飛翔距離反則級だ。それでいて、このスキルの習得者が圧倒的な少なさである理由は、ひとえにその習得の難しさにある。《十五超技》と呼ばれているスキルの習得者は、それぞれ3~10人という超少数だ。特に《殺人刀》は最も少なく、その習得が難しいことを物語っている。
《殺人刀》の解禁が行われたと思しき階層にいる、一人のNPC。彼が、このスキルの習得のヒントをくれる。
『全ての刀に関する天部の才をもち、なおかつ人きりの経験があること――――それだけにとどまらず、真の境地へと至っていること』
すなわち、《曲刀》から始まる刀系のスキルを速攻で完全習得し、なおかつ《刀》スキル完全習得時点で五人以上の殺人経験があること。最低でもそれを満たしている必要があり、そのほかにも様々なパラメータが必要である。俺達《習得者》が、《習得者》たりえているのはほぼ完全なる偶然、といっても過言ではない。そもそも《十五超技》というのは、ほぼユニークスキルに等しい希少性をもち、習得もランダムパラメーターである可能性が高い、習得条件がはっきりとしていない物なのだ。
今回の攻略には、ヒースクリフのおっさんが連絡のつく限りのすべての《十五超技》持ちを集めているようだった。俺の他に《殺人刀》を使うプレイヤーは見当たらないが、《薙刀》や《大鎌》のよ
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