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我が剣は愛する者の為に
黄巾の乱
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えずらい。」

その固定概念を持つのは駄目なんだが、どうしてもそうは思えない。
全員が頭を悩ませていると。

「もしかしたら制御できていないのかもしれないわね。」

優華が不意に呟いた。

「どういう事だ?」

「つまり、大きくなり過ぎた組織を首魁である張角が制御できず、結果部下達が勝手に行動しているのじゃあないの?」

豪鬼の質問に優華は答えた内容を聞いて、俺も合点がいった。
それならこの行動にも説明がつく。

「一理ある。
 なら、今も大きくなっているのをどうして張角は放っているの?」

俺は月火の問いに答える

「俺の予想だが、張角は人を集める才能があるがそれを纏めて指揮する才能がないんだろう。
 だったら質が悪いな。
 野心を持って集めているのではなく、勝手に集まった集団を制御できず困っているかもしれない。」

「はた迷惑な野郎だね。」

胡蝶の言うとおりである。
この内容を華琳に一応、報告する必要があるな。
夜、鎮圧に向かった秋蘭が戻ってきて、集めた情報と季衣と一刀が思い出した情報が合わさり張角と言う人物の姿が見えてきた。

「間違いないのね。」

「確かに今日向かった村でも、三人組の女の旅芸人が立ち寄ったという情報がありました。
 おそらく、季衣の言った張角と同一人物でしょう。」

「はい、ボクも見た旅芸人も女の三人組でした。」

「季衣の報告を聞いて、昼間に兵士を陳留周辺の村に向かわせたところ、同じ目撃証言を聞いたとのこと。」

秋蘭、季衣、桂花の情報でほぼ確定した。
黄巾党の張角と旅芸人の張角は同一人物であることが。
しかし、分かっていたが女の子か。

「彼女達の目的は、昼に縁が言った推測で合っているでしょうね。」

「歌い手なら、周りが暴走しているという推論も真実味が増してくる。」

「都からもようやく軍令が届いたようだし、これで派手に軍を動かせる訳だけど。」

今になってようやく軍令とか遅いってレベルじゃない。
やはり、朝廷は衰退しきっている。
この乱が終わる時、新たな時代の幕開けになるのが見えていた。

「華琳様!」

「どうしたの?
 兵の準備が終わったのかしら?」

軍令が届いてから春蘭は兵を纏めていた春蘭だったが、慌てて玉座の間に入ってきた。

「いえ、それはまだですが。
 件の黄巾党が現れたようです。
 それも今までにない規模だそうです。」

「相手の方が速かったか。」

後手に回っている事に軽く苛立っているのか、俺の発言を聞いて落ち着かせるように息を吐く。

「本当にね。
 春蘭、兵の準備はどのくらいできている?」

「最後の物資搬入が明日の払暁になるので、兵達に休息を取らせています。
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