第二十四話
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「と、そんな感じみたいだよ?」
俺は、立夏からそんな話を聞いていた。
メンバーとしては、俺、立夏、リズ姉の三人でだ。
もう夕食も終わってるから、他の家族は自分の部屋で宿題をやっていたり、風呂に入ったりしている。
「へえ、狼か・・・ってことは、魔道書は狼に関わるものなのか?」
「そこまでは私にもわかんない。でも、その可能性が高いかな?やけに狼を強調してたし」
「ふ〜ん・・・なら、その祐理とやらがよく分からないといっていたのは、公爵の姿でも見たのではないか?」
リズ姉の意見は、かなり可能性が高いように思えた。
狼つながりで近くにいる狼を連想するのはよくあることだし、ヴォバンは狼の権能も持ってる。
「まあ、もしそうだとしたら助かるな。祐理が関わってるって護堂が知ったら、面倒ごとも引き受けてくれるだろ。問題はもう一つのほうだ」
「まあ、天啓が降りてきたなら顕現してる可能性が高い」
「だな・・・少し情報を集めてみるか」
俺は携帯を取り出し、知り合いの番号を呼び出す。
こんなことをしなくてもダグザの権能を使えば調べられるのだが、こういったことは人から直接、その人の考えも含めて聞いたほうがいい。
『はい、朝倉です』
「あ、もしもし。会長ですか?夜分遅くにすいません」
電話の相手は、ウチの生徒会の会長、朝倉梅先輩だ。
この人、都市伝説とか噂話とか、そういった話に詳しすぎるくらいに詳しいので、何か異常がないかを知るにはもってこいなのだ。
『武双君ですか。何度も言っていますが、校外では職務は気にせずに名前で呼んでください。校内では気を引き締める意味も含めてそう呼んでもらっていますが、校外では緩めたいので』
「それは失礼。じゃあ梅先輩、最近狼に関わる噂が流れてたりしませんか?」
なんだかんだで、こういった噂話はかなり重要なことが含まれていることが多く、流れるのも早い。
日本では絶滅したはずの狼、もしそれを誰かが見ていたら、すぐにでも噂になって流れているだろう。
『狼・・・三峯神社のある山は分かりますか?』
「埼玉の三峰でしたか・・・そこが何かありましたか?」
『夜な夜な狼の遠吠えが聞こえるが肝心の狼の姿はない、近隣の家の住人が狼に見守られながら家まで送ってもらった、という噂なら』
うわー・・・当たりっぽいな。
「ありがとうございます。大変興味深い話でした」
『いえいえ、かの偉大なカンピオーネがそのように思ってくださるのなら、話したかいもあったというものです』
ついでに、この人は委員会の関係者だったりもする。
元々は、俺が入学した一月後に神代家の監視のために城楠学園に来て、二日目で俺たちに自分の正体を話すという、謎の行動をした人だ。
「
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