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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第17話 「敵は……倒す」
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がきちゃうかなー? 皆、最後に一当(ひとあて)して下がるのだ!」
「……遅い」
「にゃ!?」

 咄嗟に右側から生まれた殺気に、慌てて蛇矛を盾にする。
 その刹那、まるで岩に殴られたような衝撃が鈴々を襲ったのだ。

「ぐっ……!」

 気が付くと鈴々は宙に浮いていたのだ。
 逆さまになった身体をひねって、体勢を直し、なんとか着地する。
 でも、その勢いは止まらず、二丈(約六m)ほど吹き飛ばされながら足を踏んばって堪えたのだ。

「っ……ちゃあ〜……い、今のは痛かったのだ」

 衝撃を受けた手がじんじんと痺れる。
 引き摺られたような地面の溝が、衝撃の重さを物語っているのだ。

「……受けた?」

 鈴々が顔を開けると、そこにいたのは真紅の髪に褐色の肌をしたお姉ちゃん。
 どこかきょとんとした表情で、その手に持つ武器を持ち替えた。

「今の……お姉ちゃんがやったのか?」
「……そう」

 あちゃー……もしかして、このお姉ちゃんが……

「もしかして、『りょふ』ってお姉ちゃんのことか?」
「……そう。恋のこと」
「にゃあ……まずったのだ」

 ううう……お兄ちゃんからあれだけ一人で戦うなと言われていたのに。
 は、破門は嫌なのだ……

「でもお前、ちんきゅーみたいに小さいのに、恋の攻撃受け止めた……強い」
「にゃあ……鈴々は強いけど、お姉ちゃんとは戦いたくないのだ」
「…………? 何故?」

 きょとんとした顔で再度問いかけてくるお姉ちゃん。
 さっきの殺気が嘘みたいなほど、その姿は自然体だったのだ。

「お兄ちゃんから『りょふのおねーちゃんとは一人で戦うな』って言われているのだ。でも、鈴々、その言いつけを破ったのだ……は、破門は嫌なのだ」
「……? お前が何言っているか、よくわからない……」
「鈴々たちは、とーたくのお姉ちゃんを助けるために洛陽に向かっているのだ。できればお姉ちゃんには退いて欲しいのだ」
「……? お前たち、敵、のはず」
「そうだけど、そうじゃないのだ。とーたくのお姉ちゃんには鈴々達も恩があるのだ」

 ううう……鈴々は難しいことを言うのは苦手なのだ。
 これが朱里やお兄ちゃんなら、ちゃんと説明もできるかもしれないけど……

「……恩人なら、なんで殺そうとする?」
「こ、殺そうだなんて思っていないのだ!」
「でも、賈駆言った。連合は董卓を殺そうとしている。恋はとーたくに助けられた。だからその敵と戦う」
「そうだけど……そうだけど! 鈴々たちだって助けるために動いているのだ!」
「でもおまえら、敵」

 うー!
 そうだけど、そうじゃないのだ!

「敵は……倒す」

 その言葉と共に、りょふのお姉ちゃんが鈴々の前に飛び込んで
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