反董卓の章
第17話 「敵は……倒す」
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りません」
「……そうね。楽しみにしているわ」
そういった曹操は、ポツリと呟いた。
「私を囮に使うのだから、うまくやりなさいね」
―― 袁紹 side ――
「で、伝令! 敵は虎牢関前面に布陣! 敵はおよそ十万! すでに先鋒である袁術軍と孫策軍が交戦状態です!」
「ぬぁんですってぇ!?」
わたくしの指示もなく、勝手に開戦したというのですの!?
「て、敵は虎牢関の関でなく、その前にある谷間の荒野にて布陣して待ち構えていた模様! こちらは細い長蛇の列だったために報告が遅れたとの事で――」
「言い訳なんてよろしいのですわよ! どうせ美羽さんのことですから、勝手に前に出たのでしょう!? まったく!」
「は? あ、いえ、向こうがこちらの体制が整う前に攻め込んできたようで」
「そんなことはどうでもいいですわ! それで、状況はどうですの!?」
「は、は! 先鋒は圧倒的な敵に対して苦戦している模様! すでに中曲の劉備軍、曹操軍が迎撃準備に入っているとの由」
まったく……総大将の命令もなしに戦闘を開始するなんて!
あとで美羽さんには『総大将』として、しっかりとお灸を据えてやらねばなりませんわね!
「仕方ありませんわね……劉備さんと華琳さんに伝令なさい。華麗に前進して、さっさと敵を打ち倒せと! よろしいですわ――」
「で、伝令! 劉備軍より本陣、並びに劉表軍への援護要請です! 敵は十万、戦意高し! 先鋒はほぼ壊滅状態されど、中曲にて遅滞させるため、その間に本陣と劉表軍にて総力戦を請いたし、とのこと!」
「ぬぁんですってぇ!」
総大将の意見もなしに、本陣の出陣要請ですって!?
一体、だれが総大将だと思っていらっしゃるの!?
「なお、敵は呂布、並びに張遼! 兵力がなくば、全軍壊滅する恐れあり! 至急来援を請う! 以上です!」
〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
わ、わたくしの意見もなしに、そんな全軍総力戦でなんて、一体どこの誰が!
劉備さん……貴女、水関で単独で勝ったからって、ずいぶんいい気になっているのではなくて!?
「で、伝令!」
「またですの!?」
「りゅ、劉表軍は劉備軍からの要請に答えるべく、移動を開始するとのこと!」
「ぬぁんですってぇ!?」
わた、わたくしの、わたくしの命令もなしに、誰も彼も!
「ぬぁんでみんな、勝手なことをするんですの!?」
「……落ち着いて下さい、袁本初様」
!?
私の背後には、いつの間にか唐周さんがいた。
「本初様のお怒りはごもっとも。なれど、状況は悪い形で進行しております。戦に勝たねば洛陽への進軍すらままなりません」
「そ、それはそうですけどっ……」
「敵は十万。なお
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