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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四十話:夜の草原で二人の共同作業
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「十個ずつまとめればいいな。後は、汚れも落とせばいいのか?」
「……うん。魔法の研究に使うものだから、迂闊にキレイキレイとかできないから。ホコリとか虫とか土の汚れは丁寧に落として、紐で束ねて」
「わかった」

 断る理由が見付けられないので仕方なくというか、断るために色々言うのもまた気まずいというか。
 そんなわけで、目は合わせないままで作業のやり方を説明します。

 ただの薬草とかなら別にキレイキレイしても問題無いと思うんですが、繊細な魔法の調合に使う、魔法の力を持つ薬草ですからね!
 妙なことして、効果をわずかでも狂わせるわけにはいきません!


 説明も無事に済ませたところで、私も作業を開始します。

 ……しかし、暗いからわからないだろうとは言え私の顔は絶対赤いし態度だってこんなにもぎこちないのに、仕掛けてきたコイツのほうは全く態度が変わらないってどういうことだ。
 そもそも、何でいきなりあんなことしたんだ。
 不意討ちでするつもりなら今までだっていくらも機会はあっただろうに、なぜ今、ここで。

 悶々とそんなことを考えながらも藪を突付いてヘビを出す気は無いというか、本格的に口説かれはじめでもしようもんなら本格的に居たたまれないので。
 あくまで黙々と、作業を続けます。

 ……いやでも、そこを問い詰めてはっきり告白でもさせれば、はっきり断るとかできるんじゃね?
 ならここは敢えて、突付いてみたほうが……。

 ……いや、無理!
 無理です、絶対!
 今そんなことされたら、なんかもう流されてしまいそう!
 色々とまずい方向に、進んでしまいそう!
 進んだ結果、物凄い後悔しそう!!


 思考をおかしな方向に暴走させながら、猛然と作業を続けていると。

「!」
「あ、悪い」

 次のルラムーン草に手を伸ばしたところでヘンリーの手とぶつかって触れ合い、物凄い勢いで引っ込めるというベタ展開に。

「……」

 また顔が真っ赤になるのを意識しながら、引っ込めた手を思わず押さえます。

 ……やってしまった。
 多少のぎこちなさは流してもらえたが、これはイカン。
 意識してます!!って全力で宣言したようなものじゃないか。

「……あのな、ドーラ」
「……」

 ほら引っ掛かった。
 流してもらえなかったじゃないか、どうすんだこれ。

「別に取って食ったりしないから。そんなに警戒するな。悪かったよ、さっきは」
「……」

 悪かったってどういうことだ。
 あそこでピエールの声がかからなければ完全にそうなってたわけだけれども、そんなつもりは無かったとでも言うのか。

 後悔してるのか。
 出来心だったのか。
 その場の勢いだけだったのか。

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