言葉以外の伝え方
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さい羽を生やした青いネコだったのだから。
まさか卵からネコが生まれるとは思ってなかったメンバー達は驚愕し、ナツとリサーナは感嘆の声を上げる。
「オイオイ・・・ネコって卵から生まれんのか?」
「違うと思うが・・・まさか、卵からネコが・・・」
「羽が生えたネコか」
「ううん・・・あれは能力系の魔法よ。魔力を感じるもの」
クロノが思わず親子丼を食べていた手を止め、ヒルダが驚愕し、クロスが呟き、魔法学に詳しいサルディアがそれを訂正する。
そしてその青いネコはフラフラと宙を飛び、ナツの頭の上にちょこんと着地すると・・・
「あい!」
元気な声で鳴いた。
「かわいー!」
「小っちゃいね〜」
その姿を見たメンバーは、続々とネコに群がっていく。
「見て・・・ナツ。さっきまで皆カリカリしてたのに・・・あんなに嬉しそう。幸せを呼ぶ青い鳥みたい」
リサーナの言う通り、先ほどまでのカリカリした空気は完全に消えていた。
ネコが生まれたその瞬間から、ギルドにいた全員が楽しそうに笑っている。
「幸せかぁ。じゃー、コイツの名前『ハッピー』」
「あい」
「ドラゴンのハッピーだ」
「あい」
『ドラゴンじゃねぇよ!』
未だに青いネコ・・・ハッピーをドラゴンだと思い込んでいるナツにツッコみを入れる。
すると、そんな幸せそうな空気が漂うギルドに、イオリとティアがやってきた。
「んー?何々この騒ぎは。あたし達除け者でお祭り騒ぎなんて酷いよ皆!ねぇティアちゃん」
「騒ぐの好きじゃないんで、別にどうでもいいです」
「わっすれってたー!この子は超絶クールなんだったー!」
ツンとしたままティアはギルドに入り、小首を傾げる。
「・・・ネコ?」
「あ、ティア!おかえり!見て見て、あの卵が孵ったの!」
「ハッピーっつうんだ!」
ティアの姿を確認したナツとリサーナはハッピーを抱えて走っていく。
すると、ハッピーは再び小さい羽を動かして飛び、ティアの帽子の上へと着地した。
「あい!」
元気よく鳴くハッピーを掴んで下ろし、静かに見つめる。
そして、ふっと口元を緩めた。
「随分と可愛らしいドラゴンが生まれたのね」
「おう!」
『だからドラゴンじゃねぇって!』
そう言いながら、ティアはハッピーをイオリに渡す。
「うわぁ、ネコだぁ!戯れたいけど、仕事の報告があるから後でね。はい、リサーナちゃん」
ハッピーを名残惜しそうにリサーナに渡すイオリ。
そして仕事の報告にと歩き出そうとした瞬間、ナツに呼び止められた。
「そうだ、イオリ!」
「ん?どしたの?」
「いい忘れてたけど、あん時はありがとな!」
あん時、とは東の森で森バルカンに襲われた時の事だ
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