暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
言葉以外の伝え方
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「・・・で、あの後から喧嘩は減ったな」
「へ〜」

6年前の、今なら簡単に倒せる相手とのちょっとした激闘の話を、ハッピーは変わらず興味深そうに聞いていた。

「で、いつからお互い名前で呼ぶようになったの?」
「んーっと・・・」

ハッピーの問いに首を傾げるナツ。
そして、「ああ」と頷いた。

「確か2年前だ」
「2年前!?オイラ知らなかったよ!2年前のいつから?」
「それは覚えてるぞ」

そう言って、ナツは思い出す。
2年前にティアを名前で呼ぶ前―――そのスイッチにもなったと言える、6年前の約束を。








「誰だーっ!盗んだのー!」

ギルドに顔を出すなり、ナツの怒りを含んだ声が響く。

「卵が消えた?」
「つーか卵って何の話だ?」
「スバル達は仕事に出ていたからな。知らなくて当然だ」
「ドラグニルは鶏にでもなったのか?」
「それは違うよクロス君・・・でも、卵から足が生えて1人でどこか行く訳ないし・・・」

ライアー(当時12歳)とスバル(当時12歳)が首を傾げ、ヒルダが説明し、クロス(当時11歳)が天然発言をし、サルディアがそれにツッコみながら首を傾げる。
ナツとリサーナの2人は公園に秘密基地を作り、卵を育てながら一晩を過ごしたのだが、朝起きたらあるはずの卵が消えていたのだ。
ちなみにティアは「ドラゴンの卵だとは認めてもいいけど、育てる気はない」と帰ってしまった。

「ラクサス、お前かーーーー!」
「興味ねぇ」

言葉通り興味なさげに魔導式音楽プレイヤー『サウンドポット』を使い、好きなジャンルであるクラシックにロックを取り入れた音楽を聞くラクサス(当時17歳)。

「エルザー!吐き出せよぉ!」
「おい・・・少し飛んでいないか?話が」

既に食べられたと決めつけているナツにエルザはツッコみを入れる。

「クロノォォ!テメェかー!」
「俺は無実だぞ。卵が食いたくなったら店で買う」

何か若干ずれた言葉を、親子丼を食べながら言うクロノ(当時15歳)。

「アルカ!早く掘り起こせよ!」
「何で俺が埋めた事になってんだよ!」

食べられたと思い込んだ次は埋められたと思っているナツにアルカが呆れながら言い、溜息をつく。

「ミラ姉、卵知らない?」
「知らないわよ。アンタ自分で食ったんじゃないの?ナツ」
「この野郎!」
「やんのかナツ!手加減しねーぞコラ!」

ミラの言葉を聞いたナツがキレながら飛び掛かり、好戦的な性格だったミラも応戦し、喧嘩が始まる。

「もー、ナツはー。落ち着かないとダメじゃん」
「やめないか、お前達!」

喧嘩を止めようとするルー(止めようとしている・・・のか?)とエルザ。

「くだんね」

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