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第十七話 真実の一端
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載されている。果てには、まだ見ぬ男性操縦者を探すために男性向けの全国一斉適性検査を行うといった頭の痛くなるような記載もあった。……税金の無駄遣いになりそうだなぁ。
「……はぁ。で、どうやったの?」
「いっくんが受験する予定だった高校の受験案内をIS学園のものにして、受験会場で変装したクロエが誘導して打鉄が置いてある場所に誘導したの。で、いっくんが触って動かしたら騒ぎにしたってわけ。ちなみに、その打鉄は白騎士のコア情報を登録した特製品だけどね。だからまだいっくんはそれしか動かせないよ。まぁ、ちーちゃんがいるし、それとなくその打鉄以外は使わないように誘導したから大丈夫でしょ、詳細は話してないけど」
相変わらず無茶をする。でも織斑君は昔、千冬さんが第二回モンデグロッソに出場する際に誘拐されたらしい。そのせいで、千冬さんは出場辞退して織斑君を助けに行った。以降も織斑君を狙った工作や干渉があったらしいけど、千冬さんが全て跳ね除けてきたとのこと。でも、亡国機業の動きが活発化してきたことや僕が遭遇した反IS組織のテロのこともあり、なら合法的にIS学園で保護しようと、今の形にしたらしい。
親友である千冬さんのことを想っての束さんの行動……だよね? 面白そうだからとかじゃないよね?
「面白そうだからだよ?」
「あぁ……そうだよね、そういう人だったよね」
「でもでも、結果的にいっくんは学園側でちーちゃんと一緒にいられるし、いざとなればしーちゃんも守ってあげられるでしょ?」
「え? 僕も?」
その言葉は僕にとっては不意打ちだった。父さんも研究員も行方不明になり、僕のことを知る人間はほとんどいなくなってしまった。つまり、西園寺の命令で女性として学園に通い続ける必要はなくなったと言える。
……でも僕個人としてはどうだろう。学園には、そこで知り合ったみんながいる。わずか数ヶ月だったけど、それは僕の数年にも匹敵するものだった。出来れば、このまま通い続けたい。
でも、今までは仕方ないと言えた。親に強制されて選択肢がなかった。なら、これからは?
このままみんなを騙し続けるとしたら、それは僕の意志で逃げ道はない。それに僕は耐えられるの?
男性操縦者が現れた以上、僕も同じように入学することも可能かもしれない。二人目ならそれほど混乱も起きない。でも、その場合は僕は紫苑として入学することになるし、それはそもそも死んだことになっている人間だ。
「だ、か、ら。束さんがしーちゃんに学園に通う理由を作ってあげるんだよ。こんど箒ちゃんも入学するから一緒に守ってあげてほしいんだよね〜」
「なんでもお見通し、ってわけね」
「ふっふっふ、しーちゃんのことなら何でもわかるよ。サポートは今まで通りお任せあれ!」
……やっぱり束さんには敵わない
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