Development
第十七話 真実の一端
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よね。それに、もしかして紫音が倒れて……死んだっていう原因にも繋がってるんじゃない? なら、僕は知りたい。知る義務がある」
そう、僕は最近……といっても実際には半年以上前になるんだけど、体調不良の原因は紫音と一緒じゃないかと考えていた。だからこそ、死ぬ恐怖も頭を過った。そして……月読の存在。やっぱり、僕は知らなきゃいけないと、そう思う。
「なら……止めないよ。えっとね、しーちゃんが倒れた理由はね……簡単に言えば遺伝子異常なんだ」
「遺伝子異常?」
「うん。そもそもしーちゃん達って、一卵性の双子だよね? なんで性別が違うのかって考えたことある?」
「ん〜、確かに考えたこともあったけど原因はわからなかった」
確かに、本来なら一卵性の双子において性別が違うなんてあり得ないこと。でも僕らは確実に一卵性らしい。でも、そうなった原因は不明だった。
「しーちゃん……君達はね、受精卵の段階で遺伝子操作を受けて生まれたんだ」
「遺伝子……操作?」
「本来は、しーちゃんの姉……紫音しか生まれるはずがなかった。それが途中で、無理な遺伝子操作のせいで欠けたんだ。一卵性の双子も本来は自然分裂するものだけど、しーちゃんの場合は文字通り欠けた。そのまま操作を続けたことで、どちらもが無事に成長したようだけど、欠けた遺伝子だけは戻らず、そのときの無理な操作が原因で性別にまで影響が出たみたいだね」
つまり、僕と紫音は……。
「しーちゃん達は、二人で一人だったんだよ。そしてその欠けた、足りない因子が異常として体を蝕んでいたんだ。でね、月読の中のデータに本当の持ち主、つまり君のおねーさんだね、その遺伝子データが残っていて、それをもとにしーちゃんの遺伝子の復元治療をしたってわけ」
「……今さらだけど束さんってなんでもアリだね」
あまりに衝撃的な言葉に、僕はそう返すのが精いっぱいだった。
僕らが遺伝子操作を受けていたこと、そしてそもそも僕は紫音から分離しただけに過ぎないこと。
それはつまり、今まで僕が人より物覚えがよかったり、運動が出来たりしたことも操作によるものだったこと。
まるで……僕の存在そのものが否定されたようだ。
「それは違うよ。しーちゃんはしーちゃんだからね、生まれた事情がどうであれ、そんなこと関係ないと束さんは思うよ〜。それに例え操作があったとしても、別にそれに感けてる訳じゃないでしょ? だったら別に関係ないじゃん、生まれなんて。世界が平等だったことなんて一度もないんだよ」
「なんでいつもそんなに簡単に心を読めるかな〜……」
「紫苑様は顔に出やすいかと思いますが気づいてらっしゃいませんでしたか?」
「え、クロエにもわかったの?」
「はい、ハッキリと」
はは……そんなんで僕は今まで女生徒とし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ