Development
第十七話 真実の一端
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らしく目が覚めたのは翌朝だった。そこで僕は、まず食事環境の改善に図る。クロエが何やら作ろうとしていたけど、相変わらず卵焼きは消し炭になっていたので隅に追いやり作り直す。少し教えたらちゃんとできてたので、束さんが何でもかんでも食べてしまい失敗と認識してなかったのが問題らしい。それでいいのか……。
「さて、まずは当時の事故のことだけど、STCは文字通り消滅したよ。正直、あの規模の爆発に巻き込まれてたらいくらISの絶対防御でも守りきれないかな〜、しーちゃんよく無事だったよ、ほんと」
当時のことはよく覚えていない。最初の爆発程度ではそこまで大規模にはならないはず。つまり僕が気絶したあとなにかあったんだ。
「とりあえず、実行部隊は捕まえて半殺しにして引き渡しといたよ! しーちゃんに何かあったら半殺しじゃ済まなかったけどね〜」
「束様、半殺しというにはやり過ぎでした。八割殺しだったかと」
「そうかな? ま、どうでもいいよね。組織のほうも嫌がらせしたけどうまく逃げられて壊滅まではいかなかったかな〜、残念」
「……そ、そう」
相変わらず恐ろしい人だ。その組織はこの人に目をつけられるようなことをした不幸を呪えばいいと思う。
「紫苑様、実は同日に西園寺本家にも襲撃があり、お父上が行方不明となっております」
「そんな……!」
行方不明? そんな、まだ……あの拒絶された日から話ができていないのに……。あの言葉の真意が知りたかったのに!
今までの事、あの日の事、父に関するあらゆることが頭の中を駆け巡り、それでも答えが出ずに堂々巡りを繰り返す。
「しーちゃん大丈夫?」
「ん……ごめん。ちょっとビックリしたけど、大丈夫」
束さんの声にハッとする。彼女がこうして真っ直ぐに僕を心配することなんてほとんどない。彼女はいつも何かしら茶化しながらする。つまり、こういう時は僕が本当落ち込んでいるとき。そして……真面目になるときはいつだって重要なことを話すときだ。
父さんのことは確かにショックだけど、落ち込んでばかりもいられない。あまりに多くのことが一気に起こり過ぎている、まずは情報を把握しないと。
「それで、その様子だと僕が倒れた理由とかもわかったんだよね? そうでなかったらここで医療施設でもないのにまともな治療なんてできるはずないし」
そう、半年も寝ていたにも関わらずそのままここに寝かされていたということは何かしらの原因がわかり、それを除去していたんだろう。
「そのためにはまず、しーちゃんが何でISを動かせるかというところまで遡るんだ。……しーちゃん、この話はしーちゃんにとって聞きたくない話かもしれない。知らなくても、体は治したしISも今まで通り専用機なら動かせるよ」
「……自分のことなんだ
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