Development
第十七話 真実の一端
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や運用には未だ男性だって深く関わっているんだから。
そして、この反IS団体もだ。向ける矛先が違う。ISはこの世の中になったきっかけであって根本の原因じゃないんだから……。
「馬鹿げてる」
「そうだね〜、自分で考えることが出来ず、周りに流されることでしか生きられない連中の主張になんて価値はないと思うよ」
僕の呟きに束さんが答える。その声は辛辣で、珍しく飾り気のない真面目な言葉だった。僕ですらこんな風に考えるのだから、そもそもの開発者である束さんにも思うところがあるんだろう。
と、急にくぐもった音が鳴り響く。
……というか僕のお腹の音だった。
その音を聞いて気付いたけど、なんだか酷く空腹感がある。それに全体的に怠さがのこっている。そもそも吐血してたんだからそれも当然か……というか僕の体は大丈夫なのか。
「あはは〜、いい音鳴ったね! じゃぁ詳しい話はごはん食べながらにしよっか」
「うぅ、ごめん」
「お気になさらず。半年近くも眠っていたのですから当然かと」
「……は?」
お腹が鳴ったのを聞かれたのが恥ずかしいとか、そういった感情が一気に吹き飛ばされる。
クロエは今何て言った?
「む〜? だから、ごはん食べながら話そうって」
「いや、束さんじゃなくてクロエ……」
「ですから、半年近く眠っていた、と」
「そ、それ! いま何月何日!?」
「紫苑様を保護してから半年が経っております。もう年が明けて本日は1月15日です」
そ、そんな……。僕はそんなに長い間眠っていたのか。
「な〜にをそんな鳩がレールガン食らったような顔してるのかな?」
「ご心配には及びません。紫苑様のお身体のことでしたら、お着替えから下の世話まで私が完璧にこなしておりますので」
どんな顔!? そもそも消し飛ぶよ! そんなに変な顔してるかな、そうだろうね。気絶して起きたら半年経過してたって言われたらそりゃ呆けた顔くらいするさ!
そして……ああ、それだけは聞きたくなかったよ!? そりゃ、僕の事情じゃ入院なんかできなかっただろうし、感謝してもしきれないけど、それでも……あぁ、もうお嫁に……じゃないよ!? お婿に行けない……。って、なに言ってるんだ僕は、落ち着け紫苑。
「……どうしたの?」
「いい感じに錯乱しているようですね、しばらくそっとしておいた方がいいかと思われます」
「うぅ……」
しばらくして、我に返った僕を待っていたのは半固形化した味噌汁らしきものと炭化した何かだった。話なんてまともにできるはずもなく、なんとか食べきった後に再び意識を失ったのは言うまでもない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
料理とは言えないなにかに意識を奪われたあと、僕はそのまま寝ていた
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