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第十七話 真実の一端
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されました。STCの跡地より1km離れた場所で倒れているのを追跡、発見しラボまで連れ帰りました」
「1kmも……? って、それより跡地……? そうだ、あの爆発は!? STCの人はどうなったの?」
そうだ。そもそもあの時いきなり爆発があって、その場で意識がなくなったんだ。それが何でそんなに離れた場所に?
「やぁやぁしーちゃん、目が覚めたんだね。おっはー。詳細はあとで説明するけど、STCは消滅。当時現場にいた研究員はいまだ行方不明だよ」
束さんが突然やってくるのはいつものこと、でも告げられた内容はその口調とは激しく落差のあるものだった。消滅、行方不明、あまりにも予想を超えた状況に理解が追いつかない。……少なからず憎しみすら抱いた相手とはいえ、行方不明か。死んでいる可能性も高いことを考えるといい気分ではない。
「ちなみに、爆発の原因はIS憎しとか馬鹿なこと叫んでる連中みたいだね」
「捕捉させていただくと、女尊男卑を憂う反ISを主張するテロ組織『リベリアス・ファング』による襲撃です。STC以外にも数カ所が襲撃を受けています」
反IS組織。ISが世に出てから女尊男卑の世の中になるにつれて、それに意を唱える人たちが集まった組織。主に男性権力者が出資者となって、その構成員もほとんどが男性。
確かに、今の世の中は異常といっていい。ISは……本来の目的がどうあれ今は事実上の兵器として各国に配備されていて、その操縦者たる女性が重用されるのはわかる。とはいえ、たかだか500名に満たないISの操縦者。訓練生や、予備操縦者などを含めても世界中で1万人に満たない。
にも関わらず、なぜ全ての女性が男性より上として扱われるのか。
信じられないことに、街では当たり前のように見知らぬ女性が、赤の他人であるはずの男性に向かって平気で何かと命令していることがある。そういった場合、男性側は当然無視するか断るかするべきなのだろうけど、最悪の場合は警察などを呼ばれてあらぬ罪で連行される可能性もある。
一昔前によくあった……かどうかは分からないけど、電車での痴漢の冤罪のようなもので女性側の意見が一方的に通ることがほとんどだ。もっとも、今の世の中で痴漢なんてしようものなら懲役で十年以上は確実だ。
僕も、ISが操縦できるとはいえそれは対外的には知られていないし、それだけに今まで嫌な思いも多々あった。だからといって、今女性の真似事をしている中で同じように尊大に振る舞おうとは欠片も思わない。
そして、何より許せないのがそういった連中がISを理由にしていることだ。そもそもの発端は女性の権利を
主張する人たちがISを契機に男女平等を謳ったこと。それは構わないけど、今の現状は行き過ぎだ。なにより、ISは操縦が女性だけしかできないだけで、開発
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